TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

村のボランティアさん宅に泊まってきました

2015年03月27日 | TICO ザンビア
皆さま、こんにちは

インターンの山崎です


ザンビアでは、主食のメイズ(とうもろこし)が空に向かってぐんぐん成長しています


さて
今回は、村のボランティアさん宅に泊まらせてもらった時の事を書きます

この5ヶ月の間で、数カ所の村に宿泊させてもらいました
村での生活や1日の時間の流れを、実際に肌で感じる良い経験となりました


村の朝は早く、
特に、お母さんはごはんの支度、掃除、子育てや畑仕事などなど… 1日中、大忙しです

ごはんの支度と言っても、水汲みや火おこしからのスタートとなります
私も手伝える事を探そうと、お母さんの後ろを追いかけますが、

井戸の水を汲み、軽々と水の入った容器を頭に乗せ運ぶ姿
素早く火をおこす姿
手際よく鶏をさばく姿
炎天下の中でも、広大な畑をクワで耕し続ける姿、そして根のはった雑草を素早く引き抜く姿
   (私が宿泊した日は、午前・午後の食事時間以外は畑仕事をしていました)

に、ただただ見とれ 出来た事と言えば、

井戸の水を汲んだ後、水の入った容器を頭ではなく手で運び、
お母さんが起こした火が消えないように小枝を足し、
野菜を切り、
畑では草むしり(クワを使っても時間がかかる…)や種まき

が精いっぱいでした…


私が、村の宿泊で楽しみにしている事は、

宿泊先の家族さんと時間を気にせず、まったりと話すこと
畑仕事や料理をしながら、村の食べ物について質問すること
    (村で収穫できる食物や、それらをどのように調理するか丁寧に教えてくれます)
私の実家で育てている、日本の米や季節折々の野菜ついて話すこと
    (村の方も、興味があるのか良く質問されます)
モリンガと言う葉っぱのお茶を飲むこと
夜空に輝く 無数の星を眺めること

です


いつも、大自然の中でゆっくり村の生活を満喫する贅沢な時間を過ごさせてもらっています




朝ごはんを作っています(近所の方もお喋りしながら手伝ってくれます)


慣れた手つきで鶏を下処理します (孫もライトを持ってお手伝い中)


外で夕食の準備中


ザンビアの味付けを、丁寧に教えてくれます


モリンガの葉を煮詰めているところ (飲む時はカレースプーン3杯程度の砂糖を混ぜます)



村での宿泊を重ねる度に、私の中で彼らの生活習慣や食事環境が見え始めています
彼らと時間を共有することで見えてくるものは、いつも新鮮で興味深い事ばかりです

大自然の中で自給自足の生活を営む姿は頼もしく、“生きる力”をひしひしと感じさせてくれます
それと共に、自然の中で人間が“生かされている” という事も再確認させられます


この5ヶ月間、たくさんのザンビアの方に支えてもらい充実した時間を過ごす事が出来ました
彼らと共に活動する中で、“自分には何が出来るのか”常に考えこれからも過ごしたいと思います



文責:ザンビア事務所(インターン山崎)

TICO合宿(IFMSA&TukTuk)

2015年03月23日 | 合宿

TICOでは、国際協力に興味を持つ学生などに対し、地球規模の課題や国際協力について集中的に学ぶ合宿の場(TICO道場)を提供しています。
合宿では、体験型ワークショップを通じ、自然環境との共生途上国に住む人々の生活環境について学び、語り合います。
(以前ブログでご紹介した合宿→TICOに参加しました!TICO合宿(TICOユース)など。)

今回は、2月25日ー2月26日にIFMSA(国際医学生連盟)のメンバーで、そして、3月2日ー3月3日にTukTuk(滋賀医科大学の学生サークル)のメンバーで開催しました合宿についてお伝えします
北はなんと北海道旭川から、南は徳島より10名の学生さんが集まりました


【IFMSAの皆さん】

【TukTukの皆さん】

IFMSA × TICO合宿



IFMSAのメンバーは、合宿までにザンビアについて学んできた事を発表してくれました


5名の参加者が、それぞれ興味のあるテーマについて学んできていたのですが、テーマがほとんど重なることなく、個々の個性が現れていました。

テーマは、「食文化」、「命のしくみとジェンダー&政治(←なぜ政治が合わさった??)」、「ボランティア活動に参加する意義」、「感染症」「観光と感染症」。
どれもとっても興味深く、学ぶことが沢山ありました


どれも印象深いので、それぞれ少しだけ紹介します

食文化
こ~ちらの発表では、食用の・・・が・・・登場
しかも写真付き。。。
今思い出しても冷や汗ものです・・・
害虫と認識しているからこそ恐怖を感じるのでしょうが、それも文化ですし、私もザンビアへ行く時は挑戦しようとは・・・思っています。


命のしくみとジェンダー
人間が作られ、産まれ、後に死を迎えるという人生のプロセスが、ザンビアの一部地域では、ジェンダーの捉え方に固有の価値観を生み出したという内容を発表してくれた発表者。
とても興味深かったのですが、いざ、ブログで説明しようと思うと難しい・・・

命を与える(吹き込む)存在である男性を「再生」の象徴と捉え、お腹の中で育んだ子を産む存在である女性を「誕生」の象徴と、そして「死」を人間の始まり/終わりと捉えているそうです。
この考え方が、男性(再生)と女性(誕生)が別々に行う儀式の中に表現されており、男性と女性はお互いにその儀式を秘密で行っているそうです(←なんか怪しい)。
現在も、この価値観が男性と女性の関係性に現れているとか、いないとか。

んん・・・なんたる説明のあやふやさ・・・


感染症
感染症については、さすが医学生。
専門的な用語や飛び交い、私には少し難しかったのですが、感染しやすい感染症には予防しづらい感染症が多くあることがよくわかりました。
感染症については、後の方でTukTukの合宿のようすと併せてお話します


アフリカビジットプログラムに参加する意義

IFMSAメンバーの参加者の内3名が、実際にザンビアへ訪問する予定だったこともあってか、発表者はこのタイミングで改めて以下の質問をメンバーに投げかけました。
Q:アフリカビジットプログラムに参加することと、そのプログラム参加費を寄付金にすることではどちらが支援を受ける人々の助けになるのか。
Q:なんの為にアフリカへ行くのか。

この質問に対し・・・
純粋にアフリカに興味があるから、まず行ってどんな感じか見てみたい。
参加費を寄付にすることを今まで考えた事が無かった。
確かに、寄付金に回した方が相手の為になるかもしれないね。
難しい・・・

このような答えが返ってきました。
とても重要な点だな~と、皆が意見交換をする横で私も自問自答していました。
私ももうそろそろザンビアへ行く身なので、出発まで自問自答しながら、ザンビアへ行く意義や目標を自分の中で整理したいと思います。
こんな機会をくださったIFMSAメンバーに感謝。

と、完全に遅ればせながらのご挨拶ですが、私柳下は3月後半からザンビアに業務調整員という形でTICOに仲間入りさせていただくことになりました。
これからも、よろしくお願い致します!!


さて、話は戻りまして・・・
IFMSA合宿、他にも内容盛り沢山です!!

さくら診療所の見学、アフリカの子どもたちが一生のうちに体験することをカードゲームで疑似体験をする「チャレンジ・アフリカ」、夜は遅くまで「宇宙ステーション」というシミュレーション型ワークショップで自然との共生について学びました。

そして・・・二日目の朝は農業体験・・・・のはずでしたがまさかの土砂降り・・・・
残念ですが、少しだけ皆さんの睡眠時間が増えました笑

凍りつくような寒さの中、次に挑むのは「里山ワークショップ

内容はロケットストーブ作り火起こし朝ご飯

担当は、以前自然学校で働かれていて、現在鳥取で林業をされているMr. Shimomoto、通称「しもさん

(オレンジ色のパーカーを着ているのがしもさん)

まずは全員で、木のネームプレートにニックネームをつけて自己紹介、一気に距離が縮まります

そして火起こし~~~~


雨の日だったので、少し時間がかかりましたが、どうにかこうにか・・・

「難しい~」「火が消えちゃう」という言葉が飛び交っていました。
見た目より、難しいのです。。
外は雨、火は点かない・・・・。

そんな時は、
「しもさ~ん!!」
「吉田せんせ~い!!」

さすがです。
2人がちょちょっと手を加えると、ボッと大きな音をたてて燃え始める木々・・・

時間内にそのテクニックはわかりませんでした


里山ワークショップの最後は、前日に行ったワークショップを含めた合宿の振り返りをしました。
一泊二日の合宿中、暖房器具は暖炉、そしてロケットストーブのみ。
そして、その燃料は「マキ」。
近代的な文明が取り除かれた生活を終え、「火を起こすのはとても難しい」という感想と「TICOやさくら診療所を見学して、自らもなんらかの形で無駄な資源を使わないような生活をしていきたい」という感想が目立ちました。

現代の生活では、マッチと小枝などを火種にして、料理用に火を起こすことはありません。
もちろん薪割りをすることもなければ、都心など住宅が密集している所では、外で焚き火をすることも禁止されているでしょう。

しかし、わざわざ電気や石油を使わなくても、山に落ちている木々で湯を焚き、料理をすることができます。
また、日本人が人口的に作ってきた杉山は、間伐することでその生態系が守られますが、間伐できないまま放置されている杉山が後を絶たないそうです。

「資源を大切に」という文言をよく耳にしますが、資源の管理・適切な利用も資源を守ることにつながるんですね。

里山ワークショップは、今まで送ってきた日常生活を振り返り、私たち人間が自然に生かされていることを感じ、今後自然環境にどう向き合えば良いのかを考える機会になったのではないでしょうか。


最後の最後は、ゴーゴーと燃え盛るロケットストーブに大鍋を置き、冷えきった身体に、あったかーーーーーーいおうどんとコーヒーで合宿をしめくくりました
めでたしめでたし
(朝ご飯に夢中すぎて写真を撮り忘れました




竹で作ったジャングルジムに群がる男子も激写 笑





TukTuk × TICO合宿
こちらも盛りだくさんです



チャレンジ・アフリカと診療所見学、しもさんの里山ワークショップは同じでしたが、ザンビア短期派遣医師の杉本からのお話吉田のお話農業体験、そしてラクの物語が加わりました

杉本からの話では、TICOの活動の流れや、現地で行っている母子健康プロジェクトの詳細が語られました。
その中で、感染症の話がありました。
ザンビアでは、HIV/AIDSや結核、マラリアが主な感染症として挙げられます。
また、あまり日本では聞かない「住血吸虫症」という感染症もあります。川や湖などで、住血吸虫という寄生虫に感染する病気です。

杉本から、ゾっとするお話がありました。
川の近くの村に訪れたときのことです。

村の小さな子どもが、その辺で用を足している時、その子の尿は真っ赤だったそうです。
そして、その村の子どもも大人もみな、尿の色は赤いと思っていました。

村の人々は、知らないうちに住血吸虫症にかかっていたのです
なぜなら、彼らの生活用水、遊び場でもある川に住血吸虫がたくさん潜んでいるからなんです

日本のように歩いて病院に行けるような社会に居ると、想像もしない生活ですよね。
渡航先の生活環境を前もってお勉強する重要性を、今回改めて学びました。


吉田の話は、なんと深夜まで及びました(気づかないうちに)
吉田の途上国で経験したこと、環境問題や政治のこと、いろんな話題が次々と出てきました
まだまだ話し足りない雰囲気はありましたが、翌日の早起きに備えて就寝


農業体験では、さくらファームにお邪魔して、インゲン豆の種まきをしました


もちろんしもさんとの里山ワークショップもあります


慣れない作業に、参加者から「意外と農業って大変なんだなと思いました」と感想がありました。
農工具の使い方がわからず、説明を受けてから作業に入りましたが、みんな不慣れながらも、とても楽しそうに作業をしていました
(土の中から飛び出したカエルに「ギャーーーー」と叫び声が聞こえたりもしましたが 笑)


そして最後にラクの物語
このワークショップは、ある物語を分析し、課題を見つけ、課題の解決方法を考えるというものです。
詳細は、ワークショップのネタバレになるのでご遠慮しますが、脳に汗かくわ~~と言いたくなるほど、頭をつかいます。

みなさんとーーっても集中して、たまにスナックもお口に入れ(糖分!と言いながら)、楽しんで参加しました





普段は、娯楽や睡眠に余暇を費やして、わざわざ自分の生活を見つめ直す時間を持たない・・・人が大半なのではないでしょうか。
この合宿では、そういった普段持てない時間を作っています。

以前学生さんが書いてくださった合宿の報告書を紹介させていただいているページがございますので、ご興味のある方はこちらから

合宿内容や料金、宿泊施設の詳細などは、こちらに記載していますので、ご興味のある方はぜひ一度ご連絡ください


文責:事務局(柳下優美)