米モリコープ・大同特殊・三菱商事の3社は合弁で、次世代ネオジム焼結磁石の製造/販売会社(以下、新会社)を、岐阜県中津川市に設立することで合意しました。社名は「インターメタリックジャパン」、生産技術のライセンスを受ける佐川真人博士の会社の「インターメタリック」を継承した、
新会社の出資比率は、大同特殊鋼35.5%、三菱商事34.5%、モリコープ30%であり、必要な事業資金を、同3社による出資金、及び経済産業省のレアアース総合対策補助金*1の支援により調達の上、年産500トンの生産能力を持つ次世代ネオジム焼結磁石の製造工場を、岐阜県中津川市に新設し、2013年1月までに操業を開始する予定です。
*出資総額は、約、83億円、資本金は、42億円、操業開始は,12/1月
*社長には大同特殊鋼の野田俊治前取締役が就任
現在、最も強い永久磁石とされるネオジム焼結磁石は、ネオジム・ジスプロシウム等のレアアースを原料として造られ、電気自動車やハイブリッドカーの駆動用、エアコンのコンプレッサー、風力発電機等の高性能モーター*2に組み込まれて用いられており、今後、環境対応車や省エネ家電等の普及に伴い、需要が大幅に伸びていくと見られています。
次世代ネオジム焼結磁石の製造に当たり、新会社は、工学博士である佐川眞人氏が発明した、革新的な製法技術*3のライセンスを受け、また、モリコープが米国に保有するマウンテンパス鉱山より、原料であるレアアースの供給を受けます。
新会社は、大同特殊鋼の持つ磁石製造技術、三菱商事の持つ国内外販売ネットワーク、モリコープの持つレアアース供給力を総合的に活用し、大幅な需要増が期待される次世代ネオジム焼結磁石の製造事業に取組んでいきます。また、新会社の株主となる3社は、中津川の新工場を短期間に軌道に乗せ、将来的には、米国或いは他地域において更なる増産を図ることに合意しています。
*1 新会社が製造する次世代ネオジム焼結磁石は、ネオジム、ジスプロシウム等のレアアース使用量の大幅削減に資する事業として、経済産業省の「平成22年度 希少金属利用産業等高度化推進費補助金」の対象事業に採択されています。
*2 モーターは現在、自動車、家電、産業分野等で幅広く利用されており、世界の電力消費量の半分を占めています。低電力で高い磁力を生み出すネオジム磁石が、モーターの主要部材として普及することにより、消費電力も20%削減されます。これをCO2削減量で換算すると、約12億トンとなり、新会社で製造する次世代ネオジム焼結磁石は、モーター効率化による省エネ並びに環境負荷低減にも寄与します。
*3 従来製法に比べてレアアース使用量を40%削減し、且つ従来製品に比べて保磁力・耐熱性に優れた次世代ネオジム焼結磁石の製造を可能とする技術です。
佐川真人博士キャリア
1966年3月 神戸大学工学部電気工学科卒業
1968年3月 神戸大学大学院修士課程(電気工学)終了
1972年3月 東北大学大学院博士課程終了(金属材料工学)、学位取得(工学博士)
1972年4月 富士通株式会社入社、1982年5月 同社退職
住友特殊金属株式会社(現日立金属株式会社)入社 1988年2月 同社退職
1988年3月 インターメタリックス株式会社設立、同社代表取締役社長として現在に至る。
日時;平成24年3月19日(月) 14:10-16:30
場所;岡山理科大学50周年記念館4Fホール
(〒700-0005 岡山市北区理大町1-1)
(湯川記念講演)
「熱力学とニューラルネットワークを用いた金型用工具鋼の先端的合金設計」
久保田 邦親 (日立金属(株)安来工場 冶金研究所 主任研究員)
(本多記念講演)
「材料工学的アプローチによる骨微細構造の解明と骨代替材料の開発」
中野 貴由 (大阪大学大学院 教授)
参加費 無料
申込・問合 3/12(月)締切 中川惠友(岡山理科大)宛
TEL/FAX 086-256-9561
E-mail; nakagawa@mech.ous.ac.jp