[ワシントン 3日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は3日、中国からの輸入品に対する25%の追加関税について、対象が約1300品目に上り、年間500億ドル程度に相当することを明らかにした。
産業技術、輸送関連の製品と医療用品など主に消費財以外の輸入品が標的となる。具体的には化学薬品やLED(発光ダイオード)、オートバイ、歯科用品など。追加関税は中国の知的財産権侵害に対抗する措置として決定した。
品目リストの公表によって意見公募と協議の期間を開始。約2カ月間続く見通しで、USTRはその後に対象品目を「最終決定」するとした。5月15日には対中関税に関する公聴会を開催する。
USTRは、追加関税は「米企業に対し、中国企業への技術・知財の移転を強要する中国の政策に対応」して提案したと説明。このような政策は、「中国製造2025(メイド・イン・チャイナ2025)」などの製造業振興策を通じて先端技術で世界の強国を目指す取り組みを後押ししていると指摘し、中国側はこれまで、国内法が技術移転を強要している事実はないと反論し、米国による追加関税には報復措置で応じる構えを示している。報復関税は大豆や航空機、重機を標的とする可能性があり、米中の貿易摩擦が激化するとの懸念が強まっている。
USTR公表のリストによると、米国の追加関税は「中国製造2025」の恩恵を受けるとみられる製品が主な標的となっている。同政策では、先進情報技術(IT)、ロボット、航空機、新エネルギー車、医薬品、発電設備、先端材料、農業機械、造船・船舶工学、高度な鉄道設備の10分野において、輸入品を中国製品に入れ替えることを目指している。
米ホワイトハウスは2日、米国による鉄鋼やアルミニウム製品の輸入制限への報復措置として、中国が豚肉やワインなど30億ドル(約3175億円)相当の米製品への関税を課したことを批判した。
中国は同日、米国から輸入される128品目に対して最大25%の関税を導入した。中国は、自国の利益を守り、米国の追加関税による損失を埋めるための措置だとしている。
2日の米国株式市場は、関税引き上げへの懸念などから下落した。
ホワイトハウスは声明で、中国が「世界市場をゆがめている」と非難した。
リンジー・ウォルターズ大統領副報道官は、「中国の補助金と過剰な生産能力が解消していないことが、鉄鋼危機の元々の原因だ」とし、「中国は、公正な貿易の下での米国の輸出品を標的にするのではなく、米国の国家安全保障を損ない、世界市場をゆがめている不公正な貿易慣行をやめる必要がある」と述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は中国を「経済的な敵」だと呼んでおり、今回の応酬は米中関係の緊張を反映している。
トランプ氏はツイッターに、「ある国(米国)が事実上全ての取引国との貿易で多額の赤字を出している時、貿易戦争はいいことで、勝つのも簡単だ。たとえば、ある国との間で(赤字額が)1000億ドル減って、生意気言ってきて、もう貿易しないと。僕たちには大きな勝利だ。簡単だ!」とツイートした。