歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

京都府精華町・鞍岡山3号墳 鉾を立てた送霊船を描いた円筒埴輪などが出土

2010年05月19日 | Weblog
 精華町教委は19日、鞍岡山3号墳(直径約40m、高さ約6・5mの円墳、4世紀末~5世紀初め)の墳丘頂上部付近で、権威の象徴とされる武器「桙(ほこ)」を立てた「送霊船」が描かれた円筒埴輪が見つかったと発表した。
 破片のひとつに長さ15cm高さ7cmに描かれた船は、外洋航海などに使われたとされる「準構造船」で、甲板には桙が立てられ、装飾された鞘も表現されていた。船の前後には波よけ板も描かれている。
 武具と船を表現した円筒埴輪は、奈良県天理市の東殿塚古墳(4C初)に次いで全国で2例目。被葬者の魂を船によって来世へ運ぶという、古代人の死生観を具体的に示す資料として注目される。
 墳丘の南側からは、斜面に石を敷き詰めた島状遺構(縦約7m、横約6m、高さ約30cm)が見つかった。円筒埴輪のほか、大型の家形埴輪(高さ80cm以上)2個分の破片や、被葬者に供える食べ物を入れる「ざる形土器」、土師器の高坏が残っていたことから、祭礼儀式を再現した場所だったとみられる。
 家形埴輪などを伴う島状遺構は、大規模な前方後円墳で確認されているが、今回のような中規模古墳から見つかるのは珍しいという。
 地元の首長の墓とみられ、木棺2基を粘土で覆った痕跡や、鉄剣12本も出土。墳丘と島状遺構からは、表面を覆っていたとみられる葺石も見つかった。
 現地説明会は22日午前10時半~午後3時に開かれる。
[参考:共同通信、産経新聞、NHK]

過去の関連ニュース、情報
 2009.3.4鞍岡山2号墳 2基の木棺跡を検出、現地説明会3/7
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福岡県久山町・首羅山遺跡 これまでに見つかったものより約100年古い山岳寺院建築物の基礎部分を発見

2010年05月19日 | Weblog
 久山町教委は19日、鎌倉時代に最盛期を迎えた後に歴史から姿を消した「幻の山岳寺院」と呼ばれる首羅山遺跡で、これまで見つかったものより約100年古い12世紀前半ごろに造られたとみられる建造物の基礎部分を発見したと発表した。
 新たに見つかった基礎部分は、現存する13世紀前半の基礎部分から約1m下の地中にあった。一辺が約15mの正方形で、開山当時の寺院が立っていたらしい。
 遺跡がある白山(標高289m)の山頂部にある「白山神社経塚」は、1109年造営と分かっており、一帯の山岳寺院もこの時期に開山したとみられる。
 今回の調査では、「梵字文軒丸瓦」が大量に見つかったほか、石垣の跡も確認された。
 現地見学会が29日(土)に行われる。9:30出発 12:00散会予定。集合場所は白山神社。
[参考:産経新聞、2010.4.30久山町HP]

過去の関連ニュース
 2009.5.17 首羅山遺跡 山岳寺院の遺構確認
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