厄よけ祈願で知られる牛伏寺(松本市内田)は14日、かつて同寺があったとされる鉢伏山(1928m)中腹で人工的な平面地形が残る「堂平」と呼ばれる場所の発掘調査で、念仏を唱える際に叩いて調子を取る仏具で、11~13世紀の製造とみられる青銅の「鉦鼓(しょうこ)」1点が出土したと発表した。県内では中野市などで江戸時代以前の鉦鼓が4点確認されているが、ほぼ完全な形で見つかったのは初めてという。
鉦鼓は、もとは雅楽の楽器で、遅くとも平安時代には仏具としても使われ始めた。中野市の出土品は鎌倉後期の延慶元年(1308)の銘があり、県宝に指定されている。
今回出土したのは直径12cm、高さ3・6cmの円筒形の銅製で、重さは470g。下部外周のつばに脚が3本付いている。上面中央部に、たたいた跡とみられるへこみがある。同時に出土した土器片にも、灯明を使ったことによるとみられる煤(すす)が付着したものがあり、堂平で何らかの宗教活動が行われていた可能性があるとみている。 発掘現場は、470余年前に同寺があったとされる山中で、現在地より標高が約180m高い。寺の歴史を明らかにしたいとの檀家の要望もあり、今月9日に原課長が指導して3カ所を試掘。ほかに土器片や刀子など約300点が出土し、土器片の形式などから11~13世紀と年代を推定した。
現場説明会が16日午前8時半から開かれる。
鉦鼓は銘を調べるなどして年代を特定し、9月18日から県立歴史館で開く企画展で公開する予定。
牛伏寺は真言宗・智山派、金峯山牛伏寺(きんぽうざんごふくじ)といい、約1300年の歴史を持つ古刹。戦国時代の天文3年(1534)、鉦鼓が出土した場所から現在地に移ったと伝えられる。
[参考:信濃毎日新聞、中日新聞、牛伏寺HP]
鉦鼓は、もとは雅楽の楽器で、遅くとも平安時代には仏具としても使われ始めた。中野市の出土品は鎌倉後期の延慶元年(1308)の銘があり、県宝に指定されている。
今回出土したのは直径12cm、高さ3・6cmの円筒形の銅製で、重さは470g。下部外周のつばに脚が3本付いている。上面中央部に、たたいた跡とみられるへこみがある。同時に出土した土器片にも、灯明を使ったことによるとみられる煤(すす)が付着したものがあり、堂平で何らかの宗教活動が行われていた可能性があるとみている。 発掘現場は、470余年前に同寺があったとされる山中で、現在地より標高が約180m高い。寺の歴史を明らかにしたいとの檀家の要望もあり、今月9日に原課長が指導して3カ所を試掘。ほかに土器片や刀子など約300点が出土し、土器片の形式などから11~13世紀と年代を推定した。
現場説明会が16日午前8時半から開かれる。
鉦鼓は銘を調べるなどして年代を特定し、9月18日から県立歴史館で開く企画展で公開する予定。
牛伏寺は真言宗・智山派、金峯山牛伏寺(きんぽうざんごふくじ)といい、約1300年の歴史を持つ古刹。戦国時代の天文3年(1534)、鉦鼓が出土した場所から現在地に移ったと伝えられる。
[参考:信濃毎日新聞、中日新聞、牛伏寺HP]