歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

牛久市・シャトーカミヤ 三河鉄道株式會社建立の石造狛犬一対

2010年05月01日 | Weblog
 昨日は、国営ひたち海浜公園のネモフィラ(写真)とあしかがフラワーパークの藤を見にバス・ツアーで行ってきました。
 途中で寄ったシャトーカミヤ(茨城県牛久市中央3-20-1)で「昭和二年六月建之 三河鉄道株式會社 岡崎市石工 成瀬大吉」と銘(写真)のある石造狛犬一対(写真1) (写真2)があり、「はて、これはなんだろう?」と思いました。
 下記は、調べた結果です。
 シャトーカミヤは、実業家・神谷傳兵衛(1856-1922)が、明治36年(1903)に牛久市に開設した日本初の本格的ワイン醸造場で、2008年に旧醸造場施設3棟が「最初期の本格的ワイン醸造施設」として、国の重要文化財に指定されています。(写真は事務室・現本館)
 傳兵衛さんは、三河国松木島村、現在の愛知県幡豆郡一色町で生まれました。事業で成功し、明治45年(1912)に創立した三河鉄道に取締役として参加し、大正5年(1916)に同社社長に就任しました。大正11年(1922)に66歳で亡くなり、遺体は希望で神谷葡萄園内の墓地に埋葬されましたが、昭和53年(1978)に東京都台東区谷中の天王寺墓地に移されたということです。したがって、石造狛犬は、もと神谷葡萄園内の墓地にあったものと推察されます。園内の庭には石灯籠がいくつか立っており、これも同じと思われます。石造狛犬の石工・成瀬大吉氏(1894-1976)は石像彫刻師で、特に狛犬造りの名人として活躍したそうです。
 三河鉄道は、大正3年(1914)に開通した愛知県三河地方を走っていた鉄道。傳兵衛さんは、明治43年(1910年)の鉄道敷設申請時から取締役として参加していましたが、大正5年(1916)に経営危機に陥るや乞われて3代目の社長に就任し、自ら莫大な資金を投入して経営再建を果したそうです。昭和16年(1941)に名古屋鉄道と合併して名鉄三河線となりました。
[参考:シャトーカミヤ公式サイト、goo Wikipedia、藤根石材株式会社HP]
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする