兵庫県姫路市埋蔵文化財センターは16日、JR姫路駅構内の豆腐町遺跡から、人名や年齢が記された奈良時代の徴税台帳とみられる漆紙文書が見つかったと発表した。
紙の大きさは、円形に近く直径15cm。中央で2つ折りにされた状態で見つかった。漆が付着した部分が腐らずに残ったとみられる。 紙は当時貴重だった漆を入れた箱のふたに使われていたとみられる。当時の税制「租庸調」の徴税に使った帳簿だったとみられる。
同センターが奈良文化財研究所(橿原市)に分析を依頼したところ、赤外線カメラで紙の表裏に文字が書かれていたことが判明。識別できたのは表面の53文字だけで、裏面にも文字が書かれていたが判読できなかった。
表面には、「黒麻呂」「大宅女」など6人の名前と年齢が書かれ、その下に「少子」などの文字が確認された。
「17歳」の「黒麻呂」の区分が「少子」と表記されていることから、天平勝宝9年(757)4月以降に作成された文書という。また、数字表記に「壱」「弐」を用いていないことなどから、正式な帳簿を作成するための基礎資料だったとみられる。
遺跡付近は播磨国の中心地と推定されており、漆がついた紙の出土から同遺跡に官営の漆工房存在の可能性が生じ、近くに播磨国府のような役所があったことが推定されるとしている。
ほかに、奈良時代のものとみられる土器など45点が出土した。
同センターは29日午前11時半と午後3時の2回、赤外線装置による実物展示を行う。
[参考:産経新聞、神戸新聞]
紙の大きさは、円形に近く直径15cm。中央で2つ折りにされた状態で見つかった。漆が付着した部分が腐らずに残ったとみられる。 紙は当時貴重だった漆を入れた箱のふたに使われていたとみられる。当時の税制「租庸調」の徴税に使った帳簿だったとみられる。
同センターが奈良文化財研究所(橿原市)に分析を依頼したところ、赤外線カメラで紙の表裏に文字が書かれていたことが判明。識別できたのは表面の53文字だけで、裏面にも文字が書かれていたが判読できなかった。
表面には、「黒麻呂」「大宅女」など6人の名前と年齢が書かれ、その下に「少子」などの文字が確認された。
「17歳」の「黒麻呂」の区分が「少子」と表記されていることから、天平勝宝9年(757)4月以降に作成された文書という。また、数字表記に「壱」「弐」を用いていないことなどから、正式な帳簿を作成するための基礎資料だったとみられる。
遺跡付近は播磨国の中心地と推定されており、漆がついた紙の出土から同遺跡に官営の漆工房存在の可能性が生じ、近くに播磨国府のような役所があったことが推定されるとしている。
ほかに、奈良時代のものとみられる土器など45点が出土した。
同センターは29日午前11時半と午後3時の2回、赤外線装置による実物展示を行う。
[参考:産経新聞、神戸新聞]