歴歩

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福岡県上毛町・松尾山遺跡 講堂、下宮などの遺構を確認

2009年04月17日 | Weblog
 上毛町教委は15日、松尾山(まつのおさん)遺跡(同町西友枝)の第2次調査で本尊の薬師如来が安置されていた講堂礎石跡や下宮の礎石跡、そして五穀豊穣を祈願する祭り「松会(まつえ)」で立てられる松柱の穴跡などが発見されたと発表した。
 松尾山(標高471m)は、「修験の山」として800年の歴史を持つ。今年度は参道東側の標高420~410mにある上下2段の平らな場所を調べた。
その結果、上段では講堂跡(9・5m×5・8m)、礎石は約60cm四方の正方形で17個が確認された。本尊の薬師如来が「松会」を見渡せる構造になっていたとみられる。下段では下宮跡(5・4m×3m)とみられる建物遺構が見つかった。
 いずれも、江戸期に書かれた「松尾山旧記集」や江戸時代後期の福岡藩の学者、伊藤常足が書いた「太宰管内志」に記述されている寸法や配置と一致し、修験道場の全体の配置が文献通りだったことが裏付けられたとしている。
 また、講堂のがけ下4mに見つかった松柱を立てるための石組みはコの字状で、南側だけ石がなかった。松会のシンボルの松柱を南側から石組みに入れ、北側へ起こして立てたと想定されるという。松柱用穴跡の大きさは、縦横約80cmで深さが約40cm。
 周辺では寛永通宝や宋銭が約40枚見つかり、賽銭ではないかと推測している。
 19日には「松尾山お田植え祭」と合わせ、遺跡現地説明会も行われる。
[参考:西日本新聞、毎日新聞]


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