無情説法
説法と云いますと偉い方が私どもに正しい生き方を説かれる事が一般的な解釈です、ここで云う無情説法とは「天地自然の一切の物が私の先生」と云う事です。よく真理、真理と云いますが真理とは宇宙の法則であり、自然の営みであり、その真理の奥深い考えを悟った方がお釈迦さんであり、キリストで有り、その他の高僧方なのです。
天地自然の法則に依りリンゴが木から落ちる事を知ってニュートンは万有引力の法則を発見した、エジソンは雷が電気で或る事を発見した事も無情説法の一種です。
昔の人は雲の動き、風の流れ、太陽の様子を見て明日の天気を知り、農業、漁業等の生活に生かした、しかし今はテレビを見て、新聞を読んで天気の予報を知る様になった、科学のお陰で私達は正確な明日の天気を知る事は出来る様になった半面で、雲や風や太陽との対話は無くなった。自然から有りとあらゆる事を教え(説法)て貰っているのに聴く耳が無くなってしまった。
滝の語りかけを聴いて何を悟るか。
昨年も自ら生命を絶った方は三万人を超えた様です、物は豊に、情報は豊富になり、生活の質も向上した様に見受けられますが精神的な心の拠り所は無くなり、心は貧困に喘ぐ今の社会です、もう少し欲を捨て、自然との語らいを大事にすれば神さんから与えられた尊い生命を自ら絶たなくても一握りの安らぎと勇気が得られそうに思うのですが。