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佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

燕喜館コンサート「奥村愛とファミリーの調べ」

2007年09月16日 01時01分49秒 | クラシック

 

 土曜日。

新潟市白山公園内の燕喜館にて、標記コンサートがありました。

知らなかったのですね、、、実は。

コンチェルト2号さんのブログで知り、申込。

定員が80名という贅沢なコンサート。

 

 

 お客さんは満員。

燕喜館は素敵な建物でした。日本家屋ながら、

演奏会場の部屋は天井が高く、シャンデリアが使われていました。

白山公園内の蓮が見えるロケーション。

普段も見学できるようですね。

 

 

 奥村愛さんは有名な方なのでお分かりかと思いますが、

7歳までアムステルダムに在住。お父さんが新潟市出身で、

彼女も中学校まで新潟市内の学校に通っていました。

桐朋学園大学ディプロマコースで学び、

99年の第68回日本音楽コンクールで入賞など、賞歴も多数。

これまで数枚のCDをリリース、ほかCM出演など多彩な活動を続けています。

 

 

 彼女の演奏を生で聴くのは3回目。

これまで、新潟テルサでのオケのソリスト、

鎌倉芸術館での彼女のソロのコンサート、

CD持ってないんですけど、実は好きです。

ミーハーと呼ばれても構いませんよ(笑)。

 

 

 今日の演奏曲目は下記。

 

1、クライスラー「レチタティーヴォとスケルツォ」(Vn:奥村愛)

2、ヘンデル「パッサカリア」(Vn:奥村愛、Vc:奥村景)

3、ベートーヴェン 弦楽三重奏「セレナーデ」より

 (Vn:奥村愛、Vla:奥村和雄、Vc:奥村景)

 休憩

4、ボロディン 弦楽四重奏第2番「ノクターン」

 (1stVn:奥村愛、2ndVn:白井元、Vla:奥村和雄、Vc:奥村景)

アンコール 加古隆「黄昏のワルツ」

 

 

 奥村愛さんは、実力がある人なんですが、

その美貌のせいか、逆に損をしてしまっている気もします。

今日が3回目、実際に聴くと分かるのですが、

彼女の音は、とてもリリックです。

で、熱演タイプではなく、とてもクールに弾かれます。

なので、どちらかと言うと、技巧的な曲よりも、

アンコールで弾いた「黄昏のワルツ」のような叙情的な曲が

良く合っていると思います。

 

 

 今回、ファミリーの調べ。

チェロの奥村景さんは彼女の実弟。

桐朋学園大学4年在学中です。

ヴィオラの奥村和雄さんは彼女のお父さん。

新潟のヴァイオリン界の重鎮です。

 

 

 愛さんと景さんのデュオ、

上記3人での三重奏、もう一人加わった四重奏、

合わせの時間が少ないからだと思いますが、

いずれも正直、曲の出だしはアンサンブルが安定しませんでした。

ただ、それぞれ、しばらく演奏していくと馴染んできてました。

今回思ったのは、景さんのチェロが非常に渋かった。

淡々と、しかし職人的に音を奏でていました。

それは、四重奏の時、特に表れていて、

合唱で言うと外声(ソプラノとバス)に当たる、

愛さんのヴァイオリンと景さんのチェロの関係が非常に良かったですね。

お互いを意識してアンサンブルしていた気がします。

それに対して内声(アルトとテノール)にあたる第2ヴァオイリンとヴィオラは

ちょっと抑え目というか、黒子に徹していた印象でした。

愛さんは、ソロも良かったですが、

デュオ、三重奏、四重奏ともに、演奏で3人を引っ張る意識を

強く感じましたね。

最後の「黄昏のワルツ」は熱演だったと思います。

 

 

 休憩では呈茶のサービスが。

抹茶と和菓子が美味しかったです。

これで2000円はお得だったと思います。

ここの空間もなかなか素敵でした。

声楽アンサンブルとかだとどうだろうか。。。響きが足りないかな。

 

 

 さて、奥村愛さん。

 

 

 美しい。。。

 

 

 ミーハーですね(笑)。

これで、、、なんて非常に悔しい(爆)。

でも、非常にクールでリリックな音色。

聴かないで何か言うより、一度聴いてみるのもいいと思います。

今度は、10月21日(日)の新潟室内合奏団の

協奏曲のソリストとして登場します。

曲はメンデルスゾーンです。

 

 

 ん、なんか筆に力が入りましたね(笑)。

 


二人の歌手について徒然なるまま

2007年09月15日 00時32分12秒 | ポピュラー

 

 「僕らの音楽」を見ていました。

馬場俊英が出ていましたね。

 

 

 先日、CDを買ったと書きました。

実はまだ聴いていません(爆)。

でも、買ったアルバムに入っている曲を歌ってくれました。

僕が馬場俊英を知るきっかけになった「ボーイズ・オン・ザ・ラン」。

彼の再デビュー曲。

ラジオで初めて聴いて、衝撃でした。

何故良く覚えているかと言うと、そのラジオから、

「馬場俊英」の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」と聞き取って、

それを手帳に書き留めたんですね。

当時2005年、彼の名は聴きなれない名前だったのですが、

その後、彼の歩んだ道とともに、あちこちで曲が使われたり、

大きなイベントに出演するようになりました。

コブクロの小渕氏の話が今日も出ていましたが、

彼がこの馬場俊英を評価していたことも以前聞いていました。

コブクロと馬場俊英は、曲を聴けば分かりますが、

お互いが繋がります。近いと思うんですよね。

 

 

 不思議だなと思うこともあって、

僕は、「何事も諦めちゃダメだ」という

ステレオタイプな叫びについて、一歩引いてしまいます。

それなのに、何故馬場俊英の曲に惹かれるのかは、

彼が通ってきた道に裏付けがあって、そこから彼の曲が生まれていて、

それを歌う今の彼自身が、それを体現しているからでしょう。

そういう意味で、彼の叫びにはプロセスがあって、

決してステレオタイプではないということだと思います。

 

 

 で、「僕らの音楽」の告知で、

今後、YUIと德永英明、德さんがここで共演するようですね。

いやー、引っ張りだこですね。

というのも、CDのセールスが好調なだけでなく、

kinki kidsの最新シングル「永遠に」という曲を

彼らに提供しているんですね。

僕、チラッとしか聴いてはいないのですが、

王道バラードです。シングルCDを買おうかと思っています。

いやー、単純にうれしいですね。

小学校6年生から彼を見ていて、ポリープや体調不良、

もやもや病と、苦しんでることも知っていたので、

とにかく、再ブレイクは素直に嬉しい。

というのも、今回、德さんの何が世に認められたかというのが

分かっているので、それが特に嬉しいですね。

 

 

 以上、徒然なるままに。。。

 


風景考~慣れ親しんだ風景は思いのほか心に残る~

2007年09月13日 23時54分49秒 | 日記・エッセイ・コラム

 

 職場まで、片道40分近い道のりを通っていますが、

最近、秋らしくなってきました。

といっても、今日は暑かったですね。。。

 

 

 新潟にいて、秋を感じる瞬間というのは、

やはり、実り多き稲穂だと思います。

ここ数日から、稲刈りが始まっています。

私の職場は田舎のため、農家の方も結構います。

平日は家にいる年寄り勢が刈って、休みになると家族総出、

そんな感じでしょうかね、どこも。

この連休は稲刈り日和になると良いですね。

 

 

 

 さて、引っ越してあちこちに住んでいると、

自分のアイデンティティを考えさせられます。

 

 

 

 で、良く思うのは、

慣れ親しんだ風景というのは、

結構印象に残っているものだということです。

もっと言うと、身体や心に染み付いている、

とも言えると思います。

それを強く感じたことがありました。

 

 

 大学院の頃、取材で、長野の軽井沢に行ったんですね。

正確に言うと、栄えている軽井沢ではなく、

中軽井沢?とか、「○軽井沢」と、前に何か付く、

在来線の駅でした。

 

 

 で、駅に降り立った時、

周りを見たら、どこを見ても山。

山しかありません。それも結構近くに。

その瞬間、僕は言いようのない寂しさに襲われました。

なんでしょうか、ふと降り立った駅の寂しさもありましたが、

その風景が、見慣れない風景で、

寂しくなったのだと思います。

しかも、その日、暗くなるのが早かったんですね。

もちろん、山々に囲まれているからですが。

 

 

  

 で、その時、分かったんですね。

自分の原風景が、山でなく、田園だという事を。

 

 

 

 僕の生まれ育った地、高田は、平野です。

車に乗ったりすると、すぐに田園風景が訪れます。

山というのは、南葉山や妙高山など、遠くにあるものでした。

長野から大学に来た人は、逆のことを言います。

山々に囲まれているのが当たり前なのです。

 

 

 別の場所で言えば、

海というのは、=(イコール)日本海なんですよね。

僕は実は太平洋の海をじっくり見たことがないのですが、

太平洋側の人は、日本海を見ると切なくなると言います

(笑。否、一部の人がそう言っていました)。

確かに、冬の日本海といえば、

雪を降らせる湿った季節風が吹き荒れています。

でも、これも、新潟の原風景なんですよね。

新潟でも山あいの人はそう思わないかもしれませんが、

実家は、自転車で30分こぐと海に着いたので、

僕にとっての海というのは、そういう直江津の海でした。

 

 

 今回は風景のみですが、

密接に絡んでいるのが、気候です。

風景と気候というのは、生まれ育った場所と密接に絡んでいます。

こういったものって、実家を離れた時、

結構、慣れない人がいます。実際体調を崩す人とか。

確かに、新潟の気候は、他の地域から比べると過酷ですね。

もちろん、新潟でも場所によって違いますが。

 

 

 まあ、違う地でも、慣れ親しむことができれば、

そこがもう一つの思い出の地、第二の故郷とかになりますからね。

相性もありますけど、新潟に来た人は、

新潟を嫌いにならないで帰ってほしいですね。

 


ノルウェー・ソリスト合唱団演奏会

2007年09月13日 00時06分05秒 | 合唱

 

 バタバタしている合間を縫って、

水曜平日夜に小出郷文化会館まで聴きに行ってきました。

 

 

 

 この合唱団は1950年創団の歴史ある合唱団で、

あのニーステッドが長きに渡り指揮者を務めていた合唱団。

そして今日の指揮者グレーテ・ペダーシェンは、

あのオスロ室内合唱団の創団にも関わった人。

という合唱団が、首都圏以外では唯一の貴重な公演を小出で。

さすが小出郷ですね。

 

 

 客入りは、、、うーん、このシリーズではこんなものか。

曲目を詳しくは書きませんが、

前半のメインはラウタヴァーラ「最初の悲歌」と

武満徹「風の馬」より。

でですね、、、前半、個人的には、

休憩時の周りの高評価とは正反対の印象で、今一つかな~と。

なんか正しい音は鳴っていたんですけど、散漫な感じが。

うーん、難しい曲ですからね。。。

個人的には、SATBなど、パートでくっ付いてちゃんと並んだ方が

良い響きになったような気がします。

 

 

 後半はグリーグ「4つの詩篇」がメイン。

後半の方が良かったと思いました。

途中で会場中に広がって歌うなどもありましたね。

小出という地方ながら、

スタンディングオベーションをしていた人もいました。

 

 

 

 聴いていて思ったことは、

ノルウェー人、デカい(爆。聴力関係ない。。。)。

それはともかく、、、

合唱団、どちらかというと

全員ソリストも出来るような人ばかり集まっていましたが、

総じてみんな高いところに当たっているんですよね、声が、響きが。

だから押さなくてもちゃんと鳴るんですよね。

日本人に足りないところです。

日本人の合唱団のサウンドが、

西洋の曲を歌う時に、もっとカラッとしたサウンドになるといいなと

思うことが良くあるのですが

(内地の音、なんですよね。身体から離れない響きというか。

もちろん日本民謡を歌う時はバッチリ合うわけですが)、

そうですね、そういうお手本だったと思います。

アンサンブルは大事なんですけど、

基本的な声作りの重要さも強く感じました。

というか、最近このことばかり強く思っています。

 

 

 それにしても、うーん、よっぽどの熱演とかパンチがないと、

感動しなくなっているんでしょうかね。。。すみません。

首都圏でのコンサートを聴かれた人の感想を聞きたいところです。

 


新潟ユース合唱団第?回練習

2007年09月11日 22時54分19秒 | 合唱

 

 日曜日午後、新潟ユース合唱団の練習でした。

 

 

 ?回というのは、

本来だと4回目の練習なのですが、

7月が非公式練習に切り替わり、

正式練習は3回目。

月1回ペースだが、なかなか厳しいな~というのが今回の本音。

 

 

 今回はどちらの指揮者もいらっしゃらない

団内での練習でした。

8月の練習よりは人が集まりましたが、

ちょっと固定化しているのが問題かと。

要は、昨年より曲数&練習回数が増えているため、

遠方から参加しづらい状況も生まれているのが事実。

これは今更どうにも出来ないので、来年以降の課題かと。

 

 

 ということで、今回練習はtek310が仕切り。

午前中体調が悪く、どうなることかと思いましたが、

始めてみると結構エンジンがかかりました。

 

 

 最初に「海の詩」の練習。

率直に言って、、、サウンドが物足りない。

昨年もそうだったんですが、

特に女声の声が抜けるんですよね。悪い意味で。

ちゃんと当たっていないというか。

練習中も我ながらちょっと辛口だったかなと。

その時言ったように、コダーイとかバルトークなら

これでも良いんだけど、もっと大人の声、サウンドが欲しいなと。

その後の「水のいのち」でも同様に。

 

 

 ただ、「かみさまへのてがみ」の方は、

もともとのサウンドに合っているのか、

先回指揮者練習だったからか、思ったより出来は良かった。

うーん、それにしても時間が無い。4時間練習しても足りない。

 

 

 いつか記事にしようかなと思っていたのですが、

自分が求めるサウンドの嗜好が、変化してきている気がします。

大学生の頃は、絶対音感中心だった自分の合唱から、

相対的にハモる事の楽しさを覚え、

北欧や東欧のアカペラなんかに惹かれていました。

ちょうど松原千振、松下耕両氏なんかが国内で活躍して、

そういった様式の曲を広めていたんですね。

それに加えて、自分は当時声量がなく、

そのくせ、当時のユートライや、東京でのCANTUS ANIMAEなど、

声が良く出て表現意欲旺盛な大人の合唱団で歌ったりして、

その団で感じていた自分のコンプレックスが、

合唱団のサウンドの嗜好に表れた感じですね。

でも、いろいろな合唱団で歌ってバランスをとりつつも、

やっぱりユートライやCAなどの大人の合唱団も

良いなと思っていました。だから続けていたわけですし。

 

 

 で、就職で帰ってきてから、

しばらく大人しくしていたのですが、

また活動を再開し、最近。

なんと言うか、大人の合唱団というか、

良い歌を歌える合唱団になりたい、したい、

自分が良い歌を歌いたい、

指揮振ったり歌ったりしていて、そう思うことが多いです。

 

 

 一番思うのは、

その人が、その人の能力全てを出し惜しみなく使えているか、

そして、その能力を持って表現できているか、

そういうことです。

断っておきますが、もちろん、

いろいろなタイプの合唱団があって良いと思っています。

それこそ、それぞれのアイデンティティなのですから。

ただ、これは前も書きましたが、

例えば一つの演劇における一人の演者と、

一つの合唱団における一人の団員を考えると、

一人一人の合唱団員は、本当に良い歌を歌えているか、

責任を持ってそこに参加できているか、

人数で薄まってしまっていないか、

そういうことを、振りながら、歌いながら、

聴きながら考えています。

もちろん、僕は一つの在り方だけが好きじゃなくて、

だからこそ、いろいろな合唱団と関わっています。

その合唱団の良さを、もっと伸ばす、

そして、足りないところを、

「自分たちのスタイルじゃない」

「自分たちには要らない」

と思うのではなく、足りないものを希求し続ける姿勢、

そういった姿勢の積み重ねが、

その団のポテンシャルを引き出せて、伸びていく、

そういうことなのかなと思います。

 

 

 話は逸れましたね(笑)。

だからこそ、今回雨森先生に客演をお願いしたわけです。

 

 

 ただ、練習中にも言いましたが、

改めてここに記したいことがあります。

 

 

 

指揮者のテンションに左右されるような歌い手は失格だ。

 

 

 

 指揮者は、歌い手の持っているものを引き出そうと

当然、前でいろいろな手を打ちます。

しかしですね、

そうされないと力が出せないようでは、

歌い手として失格だと僕は思っています。

言い換えると、

 

 

指揮者のテンションで伸びる歌い手は失格だ。

 

 

 ということです。

どんな指揮者が前に立とうと、

歌い手は最善を尽くさないといけない、

これが、歌い手としての使命だと思います。

 

 

 例えば、監督が悪くても、

イチローは自分のパフォーマンスを下げたりしません。

どんな状況でもそれを維持することこそが、

自分の使命だからです。

で、一人一人がそうあろうとすることこそが、

そのチームを良くする、

つまり、その合唱団を良くするわけです。

「指揮者が伸ばしてくれる」

もちろんそれは指揮者の仕事ではありますが、

歌い手の仕事もあるはずです。

基本的に、指揮者に頼ってはいけない、僕はそう思っています。

 

 

 と偉そうな事を書いていますが、

雨森先生の熱い指導で、

団員と良い意味での化学変化が起きないだろうか、

期待している自分ももちろんいます。

でも、それは、歌い手がその場でどうあろうとするか、

それにもかかってくるわけです。

今日の練習で感じた物足りなさ、

皆がそう感じてくれていたら良いのですが。

 

 

追伸 こう考えると、自分って指揮者寄りではなく、

歌い手寄りの人間だなと思います。

数多くの指揮者に引っ張られている、頼っている、

日本のアマチュア合唱界の現状が物足りないんだなと。

歌うことだけでなく、いったい何をしたいのか、

どういう活動をするかなどの企画など、

指揮者でなく、歌い手が主体的になって欲しい、

そう思っているのが正直なところです。

ちょっと辛口ですが。。。