佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

ハモネプ考~tek310、積年の思いを語る~

2007年09月18日 22時49分10秒 | ポピュラー

 

 今日、ハモネプを放送していました。

5年ぶりなんですね。

 

 

 正直に言いますが、

ハモネプ自体に興味はありません。

でも、以前放送していた頃から、

言いたいことが山ほどあって、

辛口を交えつつ、ちょっと書いてみたいと思います。

 

 

 まず、今日の放送の結果について。

日本一になったSoft voiceは、土俵が違う感じで

正直評価しづらかったですが、

今日は、一つの団体が飛びぬけていたと思います。

大阪府のシンクロトンプソンズです。

 

 

 ブロック予選で絢香×コブクロの「WINDING ROAD」を、

決勝でドリカムの「何度でも」を歌ったのですが、

ここだけは、ほぼ文句のつけようがなかったと思います。

ハーモニーも良かったんですが、

なによりアレンジが良かった。

アレンジというか、曲の構成なんですね。

ここだけが飛びぬけて洗練されていました。

どこを聴かせるか、というのが良く分かった。

他の団体は、何でも盛り込みすぎていた中、

原曲を損なわず、曲の良い部分を引き出していたと思います。

 

 

 あと、リードボーカル。

これも他と比べると良かった。

それと、ボイスパーカッション。

ここだけがうるさくなかった(笑)。

勘違いをしている人が非常に多くて困ります。

ポピュラーの曲を聴くときに、

最初にドラムとかベースを聴きますか?

あと、ボイパの技術なんて、一度二度聴けばもう満足する。

要は、その技術を使って、何を表現するか、

そこへ至らないといけないと思います。

ヴォーカルを殺すボイパが本当に多かったと思います。

 

 

 しかしですね、

こういうハモネプというか、

ヴォーカルアンサンブルのグループ、

この世界でちゃんと生き残れているグループ、

本当に少ないです。

個人的な見解を述べると、

未だ、ゴスペラーズすら超えるグループがいないと思います。

RAG FAIRとかINSPiとかBABY Booとかチキガリとか、

ちゃんと活動はしてますけど、

ブームを超えてブレイク出来ているのはほとんどないです。

 

 

 で、こういうハモネプを見ると、

何に原因があるのかが分かってきます。

 

 

 まず、何と言っても、リードヴォーカルの魅力です。

アカペラだから、誰でもハモることは出来ます。

ただ、ハモる事ばっかり考えていると、つまらないんです。

やっぱり、ちゃんとソロを取れるだけの声と歌唱力があるか。

これ、ハモネプの団体で、最も欠けていることだと思います。

ゴスペラーズが売れたことには、

楽曲の良さだけでなく、黒沢薫と村上てつやのヴォーカルに

声と歌い方に特徴があって、

ちゃんとキャラが「立っている」からだと思います。

何だかんだ言っても、ヴォーカルが一番大事です。

 

 

 で、その次に、周りの声と歌唱力です。

リードヴォーカルを取る人以外が、どれだけ良い声を持っていて、

ちゃんと歌えるか、です。

これは何に表れるかというと、ハーモニーの厚さです。

例えばRAG FAIRは、みんな声が薄いんですね。

だから、例えばゴスペラーズと比べると、響きが薄い。

せっかくハモっても、その豊かな響き、厚さが足りないんですね。

 

 

 で、あとはヴォイスパーカッションの処遇です。

 さっき言ったとおり、なんでもそうなんですが、

技術というのは、一度二度聴けばそれで飽きてしまいます。

ボイパは確かに難しいんでしょうが、

あくまでも、リズム担当なんです。

それが目立ってどうすると。

 

 

 で、結局ですが、

日本では、未だゴスペラーズが一番認知されています。

彼らを超えるグループが出ないのは

彼らの曲の良さもあるでしょうが、

ことアカペラということに関して考えれば、

上記のようなことが、あらゆるグループにおいて足りていない、

ということだと思います。

言っておきますが、ゴスペラーズへの評価というのは、

あくまでも他のグループと比較して、の話です。

そこ単独で評価しているわけじゃないです。

僕はクラシックよりポピュラー音楽の方が口うるさいので(笑)。 

 

 

 

 で、これだけ書いてきて、おかしなことを言うかもしれませんが、

 

 

 

 tek310、ハモネプ一回やってみたいんです。

 

 

 

 実は、今回のハモネプでも、

合唱団関係からの出場がありましたね。

というのも、合唱団での通常の活動だと、

こういうヴォーカルアンサンブルがほぼ出来ません。

歌うとしても、通常ルネサンスであったり、

そういう曲になります。

僕自身、こういうスタイルでのアンサンブルをしてみたい、

また、出来たら、マイクを使ってやってみたい、

そう思います。

どの程度難しいのか、体感しないと分かりませんからね。。。

それ以上に、今回も出ていたように、

真面目に歌うのも良いのですが、

真剣に遊ぶ、受け狙いのこともしてみたいんですね。

以前東京都の合唱祭で、そういうグループを見たんですね。

演歌をアレンジして、ほうき持ったりちりとり持ったりして、

面白く動きながら歌い、客席の笑いを誘っていました。

たしか、WING VOICESという団体だったと思うのですが。

合唱祭とかヴォーカルアンサンブルコンテストとか、

そういう場で、もっといろいろ遊んでみたい、

いつもそう思っています。

 

 

 こう書くと、

「お前、自分が参加できないから、

ただのやきもちを言っているだけじゃないか」

と思われるかもしれませんが、

半分はあります(笑)。

何かしたいですね。してみたい事はたくさんあります。

誰か一緒に歌いませんか?(笑)