佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

第3回新潟古楽フェスティバル

2007年09月10日 23時53分09秒 | クラシック

 

 土曜日、りゅーとぴあスタジオAにて、

標記フェスティバルがありました。

 

 

 恒例となりつつあるフェスティバル。

今回も当日前に売り切れと、大入りでした。

フェスティバルは3部構成。

オープニングで「主よ、ひとの望みの喜びよ」(バッハ)を参加者全員で、

第1部が古楽名曲アラカルト、

第2部がレクチャーコンサート、

第3部がテーマステージ、

でした。

 

 第1部では古楽の中でも比較的良く知られた曲を演奏。

昨年に引き続いて、この時代に詳しくない人にとっては、

非常に親しみやすく、配慮あるステージでした。

 

 

 第2部のレクチャーコンサートでは、

「フレンチvsイタリアン~チェンバロの秘密をさぐる~」と題し、

弾き比べをしつつ、チェンバロの楽器製作者・高橋靖志さんの解説で。

個人的には非常に興味深かったですね。

分かりやすい解説で、じっくり聴き比べると音の違いが明らかで、

良いステージだったと思います。

 

 

 ステージは各1時間。

それごとに30分の休憩があり、

外ではスタジオAながらビュッフェを作り、

CDショップ「コンチェルト」が古楽のCD等を販売。

 

 

 第3部は、

「多声音楽への招待~ルネサンスからバロックへと流れる伝統の大河~」

と題し、多声音楽をキーワードに、15世紀から18世紀まで

3世紀に渡って多彩な曲を演奏。

で、昨年に続いて、「ヴォーカル・アンサンブル・ルミネ」が登場。

中越地区の合唱人で構成されるこのグループ、

実は今回、今年の3月まで長岡でお世話になった方々が

4人加わっていました。で、客席にも長岡でお世話になった方々が(笑)。

こういう場所での再会が非常に嬉しかったです。

ルミネが歌ったのは、

 

・ミサ「ロム・アルメ」(ジョスカン・デ・プレ)より『キリエ』、

・「愛らしい鳥たち」(L・マレンツィオ)

・「今や5月祭」(T・モーリー)

・ミサロ短調(J・S・バッハ)より『我らに平和を与えたまえ』

 

の4曲。

 楽器も混じっての演奏が、昨今の合唱界では逆に新鮮に映るかもしれないですね。

昨年と比べて演奏の質が上がったように思います。

非常に楽しく聴かせて頂きました。

 

 

 休憩を挟みつつ4時間。

長さを感じず、非常に楽しく聴けました。

本来、同じ古楽とはいえ、下手をすると

商売敵とも言えるはずで(笑)、

県内の古楽奏者をこれだけ揃えて、

こういったフェスティバルを開くことは相当なご苦労があるはず。

利害を超えて、こういったフェスティバルの開催を続けていることに、

まず、敬意を表したいです。

 

 

 で、やっぱり合唱に置き換えてしまう。

合唱でも、こういうことがもっと出来るはずなのにと思いつつ

聴いたりしていました。

そうですね、、、(以下妄想)

  

 

にいがた合唱フェスティバル「~古楽の夕べ~」

第1部 名曲アラカルト(グレゴリオ聖歌からバッハまで)

第2部 レクチャーコンサート

    (合唱の起源について、グレゴリオからオルガヌムとか

                 多声音楽へを、実演交えて)

第3部 なかなか聴けない古楽の作品を集めて

    (楽器の入る大きいモテット(シャルパンティエ、リュリなど)を集めて。

     本当はバッハのモテットを楽器つけてやりたい)

 

 

 まあ、こんな感じですか(笑)。

新潟の現在の力を尽くしたら、、、出来ないかどうか。

要は、利害を超えたところで結びつけるか、に尽きます。

 

 

 何でこういうことを言うかというと、

最近、アマチュア合唱界では、アカペラがかなり主流になっていますが、

とりわけ合唱初期にあたる中世とかは、

難易度が高くその割に地味なので演奏されず、

バロックの合唱作品については、演奏機会が非常に少ないですね。

アカペラは確かに気軽に演奏出来るスタイルですが、

その図式がちょっと固まりすぎてるかなと。

せっかく楽器の古楽のスペシャリストがたくさんいるので、

何か一緒に出来たらな~、と妄想は膨らみます。

 

 

 

 まあ、とりあえずは、自分の目の前のことですかね(爆)。

皆様、おつかれさまでした。

そして、ありがとうございました。