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樹間暮のきまぐれライフ

ゆったりと・・・残りの20年は過ごせそうにないけれど、きまぐれな日々の生活を少しだけでも記憶の底に残しておくきっかけに。

正蔵の噺家本気度

2012-11-27 21:27:02 | 日記
いや~ 正蔵師匠の本気度 100%でした!
「やかんなめ」(初代正蔵師匠が演じた古風な江戸の洒落っ気ある落とし噺)と
「稽古屋」(七代目正蔵師匠の十八番)



特に「稽古屋」は、義太夫や小唄の稽古にも熱心な師匠の熱演。
仕舞のお稽古をつけるお師匠さん(女形)と無骨なはっつあんとの掛け合い、
踊りのお稽古場面では手や足さばき、鞠をつくしぐさをすべて座布団の上から
はみ出さず、にもかかわらず手のしなやかな動きや腰つき、「そうそう!」と
弟子を褒めながらのなめらかなお師匠さんの語り口。
すべてにキレを感じる「芸」でありました。
こんな言葉はないけれど「立体落語」と言うような見てよし聴いてよしのもの。
喬太郎のような派手の動きはないのだけれど、大きな動きがあっても決して
着物の端が乱れない美しさ。さすが九代目を襲名した師匠の技です。

襲名当時、脱税で世間を騒がしたりラジオのジャズ番組のDJをしたり、
タレント性の強い噺家と思っていましたが、
ここ4年、じっくり代々の芸筋を継承する努力を惜しまず重ねていた
ということだろうと思います。見直してしまいました。

落語が終わり、退場する際のお囃子が演奏されそのまま退場すると思いきや
大拍手のなか、そのお囃子をちょいちょいと手で止めさせて
突然座布団を脇へずらし床に正座し頭をさげ、
「今後とも研鑽を積むのでご贔屓に・・」とおっしゃる。
涙腺弱い私はついつられて、ホロリ。
そのまま幕が下りるのを待って頭を床につけていたけれど
幕が下りる気配もなく、あれ~?と羽織をもって笑いの中をいつもの退場。
これがこの夜の最大の「落ち」だったのでしょうか。

パンパチパンだった師匠が少々やつれ、ちょっと老成化した感じも
今後の大師匠への片鱗を垣間見る雰囲気で、今後に期待がもてるというもの。

聴けば聴くほど味が出る・・・
偏見を捨ててご贔屓にしてみようかな。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (海山人)
2012-11-29 22:49:04
本物の噺家になられたんですね、、、正蔵さん。
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Unknown (樹間暮)
2012-12-01 08:59:08
海山人さん
正蔵さん、芸達者な方のようですから
また何をなさるかわかりませんが、
落語に真摯に前をむいている、ということは分かります。
家を継ぐ、ということは大変なことだと思います。
返信する

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