樹間暮のきまぐれライフ

ゆったりと・・・残りの20年は過ごせそうにないけれど、きまぐれな日々の生活を少しだけでも記憶の底に残しておくきっかけに。

聖ベロニカに逢いに

2014-11-29 19:13:13 | 日記


11月後半の3連休の土日を利用して
長年会いたくて、本物に会いたくてしかたなかった
聖ベロニカ に逢いに岩手県盛岡へ行った。

岩手県立美術館主催 舟越保武 企画展


盛岡駅から歩いて15分ほどの川を渡った広い河川敷に近い公園の一角に
県立美術館がある。



聖ベロニカ は後半の部屋の端っこにひっそりと佇んでいた。
静謐な空気が周りを包み
今にも泣きそうなそれでいて、意志が貫かれているまなざしをもっている彼女

遠くにいるときから視線を注がれている感覚があった。
近くに寄ると何か迫り来るものが、感情を揺さぶり涙があふれる。


もう一つ、
舟越氏が若い頃、亡くした長男を描いたパステル画
8ヶ月で突然命を奪われてしまった悲しみを
水仙の花に埋もれた棺の我が息子を
おさめるカメラさえないからと、自分の手でパステル画に遺した作品

小さなパステル画だけれど
いとおしさと悲しみと慈しみがまざった感情が
穏やかで安らかに目をつむった幼顔を包む。

心穏やかに見ることはできなかった。
なのに、目をそらす事もできず引き込まれてしまう。
ほんとに穏やかな作品なのに。

作家や芸術家が思惟をこめて創るものには
その魂が籠もる。

あの静謐さ を
どうやって石に宿すのだろう。

彼の晩年の言葉
・・・時代の流れに沿うこともせず
    自分は職人として石を彫る・・・

というようなことが書かれていた。
彼は 芸術家 であると同時に 
 やはり 真の職人 なのだろう。

 
 

銀座に進出した金沢

2014-11-18 23:04:02 | 日記

以前紹介した金沢の(ゆる)キャラクタ
その名も百万石にちなんで「ひゃくまんさん」

ちょっと見るのも恥ずかしいくらい
ごてごてでこれでもかこれでもか~!と
石川の工芸やら特産物やら観光地を脈絡もなくてんこ盛り
まあ、一度見たら忘れられない(悪い意味で)印象深さがあるので
宣伝効果は高いのかもしれない。

土曜日に銀座に新たにできたアンテナショップと
「銀座の金沢」というgallery, dining, eventホールを視察


アンテナショップでは1階にはお土産品やら特産品が陳列され、
あの「とりやさいみそ」や「生麩」など色々懐かしい品々や
能登半島の「いしる」や塩等が並べられていた。
地下は地酒コーナーと和菓子(1階にももちろん和菓子もあり)
2階には輪島塗・珠洲焼き・九谷焼きなどと一緒に
変り種として、移住相談コーナーがしつらえてある。

そしてこの「ひゃくまんさん」専門解説書


描かれているものの紹介と裏にはこんな文言


からだに金箔を散りばめて
おひげは黒漆でできている
品よく縁起のいいお方。

加賀友禅を身にまとい
九谷五彩をあしらって
福々しくてありがたい。

石垣と松と苔がお好きながら
先端技術の炭素繊維を取り込んで
新しもの好きなところもある。

豪華絢爛 デラックス
優美華麗 マーベラス
多彩な石川 派手好み

豊な歴史に美味しい食べもの おもてなし

豊な石川のひゃくまんさん
石川県を背にのせて
さあさあお出まし首都圏へ。


この文言、リズムが悪い・・・
娘と色々こきおろしてしまった。

品がいい?どこがいい?
福々しすぎてもうメタボ
流石の石川、派手好み

  などと言う批判的な石川県人は少ないのだろうか。


「銀座の金沢」は銀座の目抜き通り、松屋の並びの京橋寄り
キラキラとまばゆい真新しいビルの6階の一角を占めていた。
ほどよく品のある若手作家の作品を少しずつ配置。
ギャラリーにしてはスペースが小さすぎるかもしれないなあ。
でも金沢市の税金でまかなっているのだろうからこれくらいでちょうどいい!

さて、来年3月14日、北陸新幹線開業に向けてのこの
首都圏への進出はどのくらい効果がでるのだろう。

前田のお殿様の屋敷は江戸、それも今の本郷東大の周りをはじめ、
いくつかあり、江戸との縁は深かったはず。だから、復活!という
気概はあるのかもしれない。

私と娘にとっては、首都圏にいながら
  程よく里帰り    ができる場所になりそう~♪

命日の前に

2014-11-16 23:32:42 | 日記
父の命日が近づいている。

母は今までお墓参りへ行くときは、霊園が出している
新宿から霊園までの直通バスに乗って、行きたいときに
行っていた。

ところが、この頃そのバスのステップに足が上がらなくなっている、
と言うことだったので
今回は一緒に行くことにした。

私一人なら、朝早~くに出かけ午前中には戻ってくるようにしていたが
(渋滞回避のため)
そういうわけにも行かず、普通の時間にでかけた。
案の定、往路は渋滞にしっかりひっかかる。

とはいえ、午前中の空気は澄んでいて、乾燥もしているので
雪を冠のようにかぶった富士山がしっかり見えて、楽しいドライブ
その上、母は白内障の手術が終わり、久し振りにすっきりとした
富士山を拝めて子供のように喜んでいた。



霊園の中は紅葉まっさかり
娘と三人でゆっくりお参り

お天気もよかったので
霊園の高台まであがり小さな東屋で山を眺めながら
道の駅で求めたお弁当をひろげ、ちょっとしたピクニック
ここでも母はまたはしゃぐ。

小田原のかまぼこやさんが出しているレストランへランチに
行こうと思っていたのが、渋滞で時間がずれてしまった為に
余儀なくされた変更も、好天気ならどうにでもなる。

帰りは御殿場の富士山をど~んと眺められる位置に構えた温泉
「御殿場 温泉会館」へ行き、のんびりとのぼせるほどに湯にひたる。
ほてった身体を少し覚ます為に、行ったことがないと興味を示した
公時(きんとき)神社へ、鉞を見に寄る。

ま~さかりかついだ金太郎~
く~まにまたがりお馬の稽古・・・・♪

箱根方面は紅葉狩りで大渋滞と聞いていたので
Uターンし、少しだけ渋滞回避
渋滞とも慣れ親しみ始めたけれど、事故渋滞だけは願い下げ
でもだいぶ、渋滞に慣れてきた・・・いや、いかんいかん!!

富士山が爆発したら、この霊園も被害を受けるんだろうなあ
ふと、そんな事が頭をよぎる。

里帰り

2014-11-08 23:52:15 | 日記
11月最初の連休
昨年は長野県蓼科に入っていた

今年は、誰かに呼ばれた気がして金沢へ1泊2日で戻っていた。
梓川の片側の山肌が年々ひどく崩れている上高地へ抜ける道を走り
安房峠~平湯~高山へぬけて。 
白川郷の道の駅で、かやぶき屋根の古い家を移築するビデオを見、
村の人々総出で土台の石を打ち込み、茅を刈り込み・・・屋根を葺く
熟練者が技術を伝えながら家を再建するビデオに見入ってしまって
いつもと違う金沢入り

入院中の知人が前日に熱を出し、お見舞いができなかったことが心残りに
なったが、今回目的の吉野谷へ走る。

「白山の自然を考える会」のチブリ尾根整備事業が10年を迎え
若い方々が汗を流して守っていてくださるのだが、
その他の白山へ至る登山道、特に北側の整備を一手に引き受けている方々との
「登山道ミーティング」があると聞いて参加した。

今までの報告と現況、そしてお互いが共通した想いを白山へむいて
理解を深め、同じ方向で登山道を整備していこうという主旨であった。
10年続けてきた植生調査の結果もきいた。
厳しい環境に生き抜いてきた高山植物も一時の登山者の踏み荒らしで
すぐに姿を消してしまい、再生には長い年月がかかること。
登山道の草刈も高山植物の芽が出始める前に笹だけ刈る、という
時期を早めることでお花畑の植生回復も可能にしてきた。
若い方々の力に明るい未来を見る。



朝起きると、昨晩からの雨が引き続きひどい。
けれど、深山、穏やかなしっとりとした空気が流れている。
木々に吸い込まれる雨・・・

帰りに以前よく行っていた 樹木公園にちょっと寄る。
すっかり秋が通り過ぎていた。

      
  
                        
             
                                        
      
この落ち葉を沢山集めて、子供達はその中にもぐりこむ
そんな風に過ごした日々をそっと思い起こす。

雨降る公園には誰もいない。


昨日訪ねた知人から
「腹をくくる」と言う言葉をきいた。
この日会った友達からは
いつでもいいから帰っておいで、という言葉をきいた。

東京へ向かう道すがら、平湯峠で今年の初雪の舞に出遭う。

季節の変わり目とともに
私の周りの風向きもまた変わり始める・・・
と、ふとそんな想いを感じつつハンドルを握った11月初め