“不法捕鯨大国“が捕鯨反対デモをする
2007年の初夏のことだ。
まだ慰安婦像がなかったころの在ソウル日本大使館。
そこに押しかけたのは、日本の調査捕鯨を非難する韓国人のデモ隊だった。
オーストラリアやニュージーランド、あるいは欧米の日本大使館にも「捕鯨反対」のデモ隊が押しかける。
しかし、それらの国々と韓国ではまったく事情が違います。
「犬を食べている国民が、鯨を食べる国民を非難した」といったレベルではありません。
実は、韓国自身が大量の鯨を捕っているのだ。
では、韓国は国際捕鯨取締条約に加盟していないのか。
いや、加盟している。
加盟していて、日本のような「調査捕鯨」も行なわないことになっている。
それなのに、頭数で見れば日本の2倍以上の鯨を捕っているのです。
どういうことなのか。
「混獲」という。
他の魚種を取るつもりで仕掛けた網に鯨の方が勝手に入ってきてしまった・・・・・・というのだ。
「混獲」の中心港は蔚山と仁川。
どちらの港の周辺にも「名物・鯨料理専門」の店がいくつもある。
よく訪れる、釜山のチャがルチ市場にも鯨料理の店がある。
「捕鯨目的の混獲」であることは公然の秘密のようで、欺瞞も極まる。
それにしても、日本大使館に押し寄せたデモ隊の参加者たちは、こんな国内事情も本当に知らなかったのだろうか。
もっと不可解なこともあります。
あの反捕鯨団体「シー・シェパード」だ。
なぜか、韓国の「公然たる混獲」に対しては事実上、目をつぶったままなのだ。
韓国が“不法捕鯨大国“であることは、もはや国際捕鯨の関係者では知らない者はいない。
そうした情勢を見て取った、韓国政府は12年の国際捕鯨委員会の年次総会で「調査捕鯨を開始する計画」を表明した。
韓国、お得意の「闇の公然化作戦」だ。
ところが、オーストラリアやニュージーランドが批判の声を上げるや、3日ほど後には「なかったことにする」と方針転換した。
もとより、国内で事実上容認してきた「捕鯨目的の混獲」も禁止するというのではない。
それでも韓国は、第三国に対して「調査捕鯨も行なっていない国」の立場で、「日本の捕鯨批判」を展開するのだろうと思います。