5月15日の安倍首相の記者会見。
お友達を集めてつくった私的諮問機関「安保法制懇」(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)の報告書をうけての会見だった。
報告書は、「憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使容認を求める」もの。集団的自衛権行使を禁止してきたいままでの政府解釈を「適当でない」とし、その容認を要求している。
首相記者会見は、その日のうちにおこなわれた。「報告書が独り歩きするのを防ぐため」の会見だとか。会見の内容は、”独り歩きを防ぐ”どころではなかった。報告書を「安倍流」に解釈し、ひたすら国民に理解を求めるものになった。
大きなパネル2枚が掲げられた。1枚は”邦人輸送中の米艦船の防護”。米艦船に乗った母子の絵が大きく描かれている。絵を大きくしたのは安倍首相の指示だったという。もう一枚は”駆け付け警護”。日本NGO・PKO要員が攻撃される絵入りである。現地人の母子を診療する絵が、ここでも大きく描かれている。
30数分の会見で飛び出した言葉は、「国民のいのちを守る」。なんと16回も。
「いのちを守る」は、「いのちを捨ててください」に聞こえた。
記者の質問に対する返答はまるでとんちんかん。かみ合った返答はない。「お友達懇談会といわれているが・・」の質問は・・・無視された。
各局とも、この記者会見報道に力を入れていたが、気になるのでNHKに注目した。
その日の『ニュースウオッチ9』。当然、安倍会見からはじまるだろうと思っていたら、導入部は”ベトナム反中デモ、台湾企業に被害、日本人社会にも影響”である。漢字で書かれた看板の工場が襲われたこと、安全のために休校した日本人学校のことが紹介されて、そして「集団的自衛権報告書の提出受けて」につなげていった。その構成は意図的である。
キャスターは、「中国とベトナムの対立、収拾の見通しが立ちません」と切り出した。アナウンサーが、「この事態を、安倍総理大臣は他人事ではないと述べました」とつづき。礒崎陽輔・安保担当首席補佐官をゲストに「集団的自衛権報告書」に入った。
安倍首相の「日本人を守ることができない。そんなことでいいんでしょうか」という発言を、映像で「補強」した番組になった。NHKは、安倍首相のお友達局になったのか・・・そんなことまで感じさせる番組構成なのだ。
だが、一方で翌16日の『NHKスペシャル』は見事だった。沢協二(元内閣官房副長官補)中野晃一(上智大学教授)、礒崎陽輔(首相補佐官)、北岡伸一(安保法制懇座長代理)各氏による冷静な討論は、視聴者に判断材料を提供していた。これからのNHKの伝え方に注目である。
戦争する国 ゴメンです!。憲法九条を壊すな!の「運動の高まり」と「NHKの報道姿勢」は無関係ではない。「メディアは、時の流れに合わせてタクトを振る」という言葉があるが、「時の流れ」をつくるのはわたしたち一人ひとり。うかうかしてはいられない。
お友達を集めてつくった私的諮問機関「安保法制懇」(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)の報告書をうけての会見だった。
報告書は、「憲法解釈を変更し、集団的自衛権行使容認を求める」もの。集団的自衛権行使を禁止してきたいままでの政府解釈を「適当でない」とし、その容認を要求している。
首相記者会見は、その日のうちにおこなわれた。「報告書が独り歩きするのを防ぐため」の会見だとか。会見の内容は、”独り歩きを防ぐ”どころではなかった。報告書を「安倍流」に解釈し、ひたすら国民に理解を求めるものになった。
大きなパネル2枚が掲げられた。1枚は”邦人輸送中の米艦船の防護”。米艦船に乗った母子の絵が大きく描かれている。絵を大きくしたのは安倍首相の指示だったという。もう一枚は”駆け付け警護”。日本NGO・PKO要員が攻撃される絵入りである。現地人の母子を診療する絵が、ここでも大きく描かれている。
30数分の会見で飛び出した言葉は、「国民のいのちを守る」。なんと16回も。
「いのちを守る」は、「いのちを捨ててください」に聞こえた。
記者の質問に対する返答はまるでとんちんかん。かみ合った返答はない。「お友達懇談会といわれているが・・」の質問は・・・無視された。
各局とも、この記者会見報道に力を入れていたが、気になるのでNHKに注目した。
その日の『ニュースウオッチ9』。当然、安倍会見からはじまるだろうと思っていたら、導入部は”ベトナム反中デモ、台湾企業に被害、日本人社会にも影響”である。漢字で書かれた看板の工場が襲われたこと、安全のために休校した日本人学校のことが紹介されて、そして「集団的自衛権報告書の提出受けて」につなげていった。その構成は意図的である。
キャスターは、「中国とベトナムの対立、収拾の見通しが立ちません」と切り出した。アナウンサーが、「この事態を、安倍総理大臣は他人事ではないと述べました」とつづき。礒崎陽輔・安保担当首席補佐官をゲストに「集団的自衛権報告書」に入った。
安倍首相の「日本人を守ることができない。そんなことでいいんでしょうか」という発言を、映像で「補強」した番組になった。NHKは、安倍首相のお友達局になったのか・・・そんなことまで感じさせる番組構成なのだ。
だが、一方で翌16日の『NHKスペシャル』は見事だった。沢協二(元内閣官房副長官補)中野晃一(上智大学教授)、礒崎陽輔(首相補佐官)、北岡伸一(安保法制懇座長代理)各氏による冷静な討論は、視聴者に判断材料を提供していた。これからのNHKの伝え方に注目である。
戦争する国 ゴメンです!。憲法九条を壊すな!の「運動の高まり」と「NHKの報道姿勢」は無関係ではない。「メディアは、時の流れに合わせてタクトを振る」という言葉があるが、「時の流れ」をつくるのはわたしたち一人ひとり。うかうかしてはいられない。
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