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元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

『必殺仕事人2009』、後味の悪さ

2009-01-12 13:27:53 | Weblog
 テレビ朝日系で、『必殺仕事人』が復活した。1月4日は同番組30周年、テレ朝開局50周年記念ドラマという位置付けの2時間枠である。1月9日からのシリーズ開始のプレ企画でもある。今回は、このドラマには欠かせない藤田まことのほかに、東山紀之 松岡昌宏などが加わって若者向けをアピールしている。

 1月4日は、薬の高騰に苦しむ江戸の老人たちをめぐってストーリーは展開されるが、最後は「闇の仕事人」が、悪徳商人や役人を次々に抹殺していくという従来どうりのパターンである。
 最後まで見てしまったが、なんとも後味の悪さが残ってしまった。以前のシリーズでは なぜか「暗殺」シーンにそんなに違和感を抱くこともなく、むしろ「痛快さ」さえ感じていたものだが、見る時代によって、こんなにも後味の悪くなるものになるものなのか。
 新聞のラテ欄には「世の中は不況、リストラ 偽装 詐欺・・・こいつだけは許せねえ!晴らせない恨み晴らします!」とあった。今回のシリーズの宣伝の「ミソ」なのか、広報担当者の知恵なのかわからないが、ドラマを 「現在の世の中に置き換えて見てほしい」という思いが伝わってきていた。しかし、それは制作する側の独りよがりになってしまっている。

 なぜか。元厚生労働省事務次官の連続殺傷事件を思い出してしまうからだ。宣伝文句にどのように書かれようと、「暗殺」に変わりはない「テロ」である。主水役の藤田まことに、「おれたちの稼業がまかり通る世の中はよくねえ」という趣旨の独り言をいわせているが、制作側のエクスキューズなのか。
 「殺す」という手段をやめたらとも思うが、殺人用の小道具に趣向をこらしているのが売り物のようだから、それは無理だろう。
 1月9日の新シリーズ1回目は見ることをやめた。この日見たのは、同じ時間帯の『いじわるばあさん』(市原悦子主演、フジテレビ系)である。かつて日本テレビ系だったかで放送していた青島幸男の『意地悪ばあさん』とは違うタッチの作り方で、市原悦子のばあさん役もやがて定着するだろう。
 『必殺・・』の視聴率がどうであれ、企画変更した方がよさそうである。

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