「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

株保有問題と戦争協力

2004-12-05 13:46:40 | Weblog
 西武グループの証券取引法違反問題に続いて、大手の新聞グループが、地方のテレビ、ラジオ局の株式を第三者名義で実質的に保有していたことが問題になっています。
 マスメディアの持ち株を制限する「集中排除の原則」に反するとみて、総務省が調査を進めています。
 この原則は、マスメディアが他の放送局の株式を保有するのを制限したものです。言論・表現の自由を保つため、電波法にもとづき総務省令で定めています。
 この原則は、放送局の独立性を保つうえできわめて重要ですが、マスメディア側は「緩和してほしい」と考え続けています。
 なぜでしょう。
 たとえば、国民が望んでもいない放送のデジタル化が進むと、経営困難になる地方局が生まれかねません。やむを得ず、地方局を統廃合しようとすると、「集中排除の原則」が障害になってくるからです。
 緩和の要求と同時に、不気味な動きがあります。
 昨年6月に強行成立された「有事法制」(国民保護法など)と無関係とは思えないからです。有事法制で、放送局を「指定公共機関」として、政府に協力させる枠組みができました。
 「戦争のために、再びペンをマイクをカメラをとらない」と決意したのは、マスメディアが戦争に協力させられてきた歴史の反省に立ってのことです。「集中排除の原則」の緩和と引き換えに、マスメディアを戦争に動員する動きが心配です。視聴者にとって、人ごとではない事態が進んでいます。(なかつくま・たくぞう=元ワイドショープロデューサー)

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