たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に

2020年03月04日 06時40分23秒 | 懐かしい小倉百人一首

小倉百人一首で「春」を詠んだ歌 その5

花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせし間に

出典 
古今集(巻二)

歌番号

作者
小野小町(おののこまち)

歌意
桜の花はすっかり衰えてしまったことよ。
むなしくも 春の長雨が降るのを眺めている間に
そしてまた、この身が世の中で暮らしてゆくことについて
いろいろと物思いにふけっていた間に、
(私の容色も衰えてしまったなあ)

注釈
桜の花が色褪せて散ってゆくことを嘆きながら、
自分の容色(女性美)の衰えも嘆いている。
その穏かな嘆きには 
一種の妖艶(魅力的な美)が漂っている。
藤原定家が 「古今集第一の歌なり」と 賛美した歌、
掛詞、縁語、倒置法等、表現技巧にも優れている。

「花」・・「桜の花」だが ここでは 小野小町自身の容貌も意味している。
「ふる」・・長雨が「降る」と 世に「経る」の掛詞。
「いたづらに」・・上の「うつりにけりな」を倒置で修飾し、しかも
下の「ふる」、「ながめせし」を 修飾している。
「ながめ」・・「長雨」と「眺め・詠め(何か眺めながら物思いにふけること)の掛詞。


小野小町
平安時代前期を代表する女流歌人。
「六歌仙」の一人。
「六歌仙」とは 平安時代のすぐれた6人の歌人。
在原業平、僧正遍昭、小野小町、文屋康秀、喜撰法師、大伴黒主、
9世紀中頃、仁明天皇、文徳天皇 両朝に女房として出仕。
絶世の美女と言われた女性で
いろいろな伝説が有るが、真偽不明部分が多いという。


参照・引用
「小倉百人一首」解説本(文英堂)


「へー!、そうなんだ」
今更になって 目から鱗が落ちている爺さんである。

因みに
クレオパトラ、楊貴妃、小野小町 を
一般に 「世界三大美女」等と呼んでいるが
日本以外では 周知されていないらしく
日本で作り上げられたもののようだ。


この記事についてブログを書く
« 「宗谷岬」 | トップ | 藤沢周平著 獄医 立花登 手控... »

懐かしい小倉百人一首」カテゴリの最新記事