打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

VS カツ丼 戦

2009-07-08 06:20:04 | Weblog
丼もので一番好きなものは、やっぱりカツ丼だ。

色々と考え迷い悩んだけど、カツ丼はかつ丼ではなく、かつの部分をカタカナにしてカツ丼と呼びたい。

ひらがなにすると、なんだかワイルドさに欠ける気がしません? 「かつ丼」とメニューに書かれていると、なんだか丸くなったというか……昔の君はもっとギラギラしていたではないか、何があった!? と心配したくなる。

やはりカツ丼ってのは、丼の蓋をとった瞬間に思わず吼えたくなるような、人類が忘れている野生の本能を呼び覚ますような、そんな奴であって欲しいのです。女文字と言われたひらがなで名乗っちゃだめだ。男性フェロモンむんむんで居てほしい。

人間を肉食獣に豹変させる雄の丼、カツ丼。平日のランチタイムの時に出くわそうものなら、私はネクタイを緩めますよ。できれば一人の時に出会いたい。同僚や上司に獣と化した姿を見せるのはしのびないからだ。

ダイエット中の私ではあるが、カツ丼に挑まれたのなら逃げるわけにはいかない。それは私がカツ丼を愛してやまないからだ。

さあカツ丼との60分一本勝負だ。実際、会社の昼休みの時間は60分なので、会社と店の往復時間から注文しての待機時間その他もろもろを含めてしまうので、正味60分ではない。しかしギャラリー(いないいない)を落胆させない一戦は見せよう。

四角いお盆の中央にドーンと乗っかった漆塗りの茶色い丼が目の前にある。脇には黄色いタクワンが3切れと、味噌汁。

丼の蓋に手をかける。用意はいいか? 私はカツ丼にそう語りかける。返事はない。ということは、いつでもかかってこいということだ。

この瞬間からゴングは鳴る。蓋をとると同時にわずかに上半身を左右上下に揺らす。立ち上ってくる湯気を回避するためだ。返事がないと思っていたが奇襲を企んでいたのだな。たまに驚くほど広範囲に湯気が広がる事もあるから注意されたし!

カツ丼の奇襲を回避すれば、割りばしを割る。たまに塗箸の店もあるけど、カツ丼と戦う時は、木の割りばしの方がカツを掴みやすくてよいと思う。

本来なら足を使って立ち周りたい所だが、椅子に座っているのでそれはできない。しかし、カツ丼も足を使わず不動の構えで戦っているのでハンデなしだ!

湯気も収まった所で丼の中身を視認する。カツが何切れに分かれているかをしっかりと見る。だいたい5切れくらいにカツが収まっているが、たまに表面を覆う玉子の撹乱にひっかかり数を誤ってしまうこともある。今回は5切れだ。

確認が終われば、どこから攻めるかを考える。イメトレは十分してきたつもりなのだが、いざ本番になるとたじろいでしまう。まるで童貞の少年のような心持ち。

基本的にカツ丼のカツは横に並んでおり、両端の部分は脂身であることが多い。嫌いな人もいるだろうが、私はこの脂身の部分が大好きだ。だから、できるだけ後半に残しておきたい。

となると、やはり両翼を避け本陣……つまりド真ん中の一番大きなものから攻める。まずは中央より一つ隣から攻めるという定石(?)とは違うだろうが、私はこの本陣を突く。一気貫通だ。

カツをほんのわずか一口、噛む。口を動かしながら、箸に挟まっている負傷したカツを両翼へ移動させる。そして露わになった飯の部分をガッと行く、ガッと!! この時、口の周りについた飯粒は食後にゆっくりと取ればいい。

それからはもう本能の赴くままに箸を動かせばいい。一気にに攻め立てればいい。獣に人の言葉は通じない、眼の前のカツ丼を始末するまでは一匹の雄なのだ。

カツ丼の迫力とボリュームに押し負けそうになったら、漬物とみそ汁の援護射撃に頼ろう。彼らはカツ丼サイドにいるが、実はこちらの味方だったのだ。埋伏の毒だとカツ丼が気づいた時にはもう遅い。

血の騒ぐままに喰らうのがベストなのだが、試合巧者は飯を喰らい尽くした時にカツを一切れ残す。

そのカツで丼の底に張り付いた飯粒を掻きよせて、一口で食べる。ぐうの音も出ない大勝利だ。

そして最後に一言。リターンマッチはいつでも受けてやるぜ!