草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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高校入試への途

2011年10月20日 20時36分56秒 | 
 小学の6年間はいかにも長い。小学の延長のような気分で考えている親がよく勘違いして中1の間はまだのんびりと過ごせばいい、まずはのんびりと中2まで、いや中3の1学期までは部活を楽しんでなどと時代錯誤なボケを平気でかます。子どもがその親の言うとおりに中学を過ごしたとして、いよいよ中3になったので受験勉強をはじめましょうということで塾を探し勉強を始めて知る現実は自分の行ける高校が底辺都立か低偏差値私立ということである。何もわかってはいないのである。余程知能の高い子ならそれでも部活に溺れることもなくなんとか上位都立に合格できるほどの学力を保てるかもしれない。しかし、高偏差値私立はいくら知能が高くてもまず無理であろう。ましてや一般の普通の知能の子たちが、部活に溺れてまともな勉強をしてくることはありえず、英語がダメ、数学がダメ、国語がダメ、理科がダメ、社会がダメなどとやたらダメを抱えて塾に泣きをいれるのが落ちである。
 冒頭の小学6年間の長かったことが、中学を錯覚させる。中1の12月が明けて、中2の12月が明けるともうその年の12月上旬には最終内申が確定するのである。たとえば、慶應高校を受験するとしたら中1からスタートしていなければとても受からないのが現実である。中2までに中3の教科書は終わらせて、中3ではひたすら入試問題を解くまでになっていなければとても合格できまい。もし都立日比谷や西ならどうか。こういうところに合格できる子というのは、知能が高いことはまず前提である。その上で3年間とにかく勉強に明け暮れて9科目内申をほぼオール5にそろえなければ入れない学校なのである。それではこういう子たちが高校入試の準備に入るのはいつか。私が指導した子たちが過去都立西に合格した例では、中2の12月には中3の指導をスタートさせている。そしてそれでは遅すぎたと受験直前には思ったものである。都立西や都立日比谷の数学問題、英語問題、国語問題の難易度は高く、もっと早くから高度の指導をしておかなければとても安心できないというのが私の実感であった。幸いにも2人は合格できたが。
 いまや都立駒場や都立新宿も簡単には入れない学校となった。かつては新宿や青山には、少々内申が悪くても実力でチャレンジする子たちがいたものである。しかし、独自問題になってからは、当日にいくら取れるかわからなくなった。内申がないと受験は事実上できまい。内申をとるためには普段から定期試験でいい点をとるだけでなく、学校での生活も品行方正が求められる。その上で「真の実力」をつけることが不可避となる。中3からのんびりと受験勉強を始めて独自問題出題校に合格できるほど甘くはないのが現実である。
 独自問題のレベルは高く、決して慶應や早稲田の問題にも引けをとらない深い思考を要する出題内容である。学校の授業がわかっていれば解けるレベルでは決してない。ここのところを誤解してはならない。もはや独自問題出題校の問題は公立中の先生が対応できる域をはるかに超えている。学校に真面目に行って授業を受けていれば合格できるだけの実力がつくなどということはないのである。そういう錯覚を持った親がいるとしたら中3の時に、時既に遅いが、その現実を知るだけのことである。
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