草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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足りないもの

2011年05月28日 10時20分17秒 | 
 お早うございます。今日は一日雨のようです。ただし、今は降っていないようですが。
 子どもたちの指導で気になること。
 小6の算数について。「1%」をクリアした子としない子で差が出ていること。「1%」をクリアした子の中でも、その後順調に進めていることよくない兆候の出ている子に分かれたこと。
 まず、「1%」をクリアした子は、小5の1年を早くにパスポート指導できた子たちです。次に、今年の冬期のパスポート経験者です。3時間指導が長かった子はまだ「1%」をクリアしていません。さらに、今年2月入会組の小6の一部がクリアしています。これは勉強に対する関心が高く、能力的にもいいものがあったことによります。
 「1%」をクリアした子たちの中でも、その後の状況がよくない子もいます。まず、毎回の指導で確実にレジュメを提出している子は遅速はあれ前に進んでいると見ています。1週間、2週間出さない子がいます。昨日、状況を確認したのですが、いわゆる検査問題でした。どう解いていいのかわからない状況のようでした。特に、割合の理解にかかわる問題ができていないのは受検にはよくない兆候です。正直まずいかなという感想です。女の子特有の融通性というか応用力の狭さです。食塩水などの問題には強いのですが、それはある意味問題を型でとらえているからで、型の定まった問題には強いのですが、型を外れるとすぐにフリーズしてしまいます。これを応用力がない、能力のハバがないといいます。問題文を読み、事実を正確に認識し、理解し、図式化し、関係をつかみ、ここで割合の基本的なイメージから、解の糸口を発見するという思考の流れができていません。こうした思考の流れを「分析力」「解析力」とでもよべば、そういう能力が未だ低いということです。今「1%」クリアした子たちが取り組んでいる問題は、比較的「易しい」問題ばかりです。1回の指導で1枚も出さないで終わるというのはかなりまずい状況ということです。
 「小学思考の素」をクリアした子が2名出ています。これまで3時間指導でずっときた子は、「面積と体積」をまだほとんどやっていない状況です。「面積と体積」を終えて、「視覚の素」に進んでいる子は去年からいる子でかつパスポート指導の子のみです。
 総じて総合的に算数力をつけるということの難しさにみな直面しているようです。いちばん進んでいる子でも最近は「わかりません」が多くなりました。まったく考える術もなく闇雲に時間を浪費するのもどうかと思い、これは思考が及ばないであろうという場合は、説明しています。しかし、中には、全くの割合の基本の理解が問われているだけの問題が解けない子もいて、正直私の落胆はかなりのものです。本年の小石川合格者の例では、そういうことは一切ありませんでした。つまり基本的な理解にかかわる問題が解けないというのは不合格の徴表なのです。私のレジュメには何題かに1題いわゆる検査問題といって「基本の理解を試す」問題が仕込まれています。これでその子の理解の状況を判断するためです。ところが、家で大量の問題をやりあげてきた子がいます。これ自体、指導レジュメではありえないことなのです。私のレジュメは宿題ではありません。1枚1枚実際にその子が「解いている」のを確かめながら前へ進めていきます。まとめて出してきて、検査問題のすべてができているというのは、私にはありえないことです。検査問題が家でやってすべて解けているなら、相当の実力者のはずです。しかし、実際はそうではないと思います。今「1%」をクリアした子たちでさえ、私が比較的簡単に制作したつもりの「小学思考の素」で四苦八苦しています。
 算数で私が「君はもう算数目録だ。合格の可能性が強い」と言わしめる子が何人でるのか。これからが厳しい茨の道です。6月と夏、この時期に算数に真剣に取り組み、算数をものにしてもらいたい。夏の予定は週明けにはお渡しできると思います。今夏は家庭学習も視野に入れた内容となっています。
 過去問のこと。
 過去問全国版2011に取り組んでいる者が現在6人です。これはその6人が「1%」をクリアしたということです。が、さきほども言ったように、「1%」をクリアしたからといって、別に算数が「できる」と認められたわけではありません。また、「小学思考の素」と「面積と体積」「視覚の素」はまだまだです。算数によりどこまで思考を深められるかが勝負です。過去問都立版は今年は夏に私の書いた「都立虎の巻」を使う予定です。適宜都立過去問を家庭学習として課題にする予定です。また、まだ課してはいない夥しい数のレジュメもあります。
 そうしたレジュメ群の指導ができるかはすべて算数による思考力の深度によります。都立中合格への道は苦難の道です。勉強できる時間は実質あと7カ月しかありません。これからの時間を大切に使ってください。言い換えれば、私の指示を100%遵守してほしいと思います。
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