草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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「とは」から始まる「考える」

2007年03月12日 10時28分14秒 | 
平行四辺形とは, 2組の対辺が平行な四角形である。これは, 平行四辺形の定義(約束)です。数学で平行四辺形の問題を考えるとき,まず思考のスタートはこの「とは」なのです。私は, 数年前, 東大理系志望の都立西の高校生を指導したことがあります。私は, 国立文系出身ですから, 数学は理系まではやっていません。ただ, 塾の先生をやっていたので, 何かにつけてそうした書物は読む機会はあったということなのですが。私は,よく東大の入試問題などの数学の質問を受けました。そのとき私はいつも定義から考えました。そうするといつも不思議なように解決できたのです。いつも質問にもってこられる問題は私には未知の難問ばかりでした。しかし, 私は塾の先生です。これは「わかりません」などといって放り出すことはできません。そこでとにかく考えたのです。考えるときは ,いつも「ベクトルとは, …」というように「とは」からでした。実は ,高校入試の数学でも, この基本的アプローチは変わらないのです。まず, 「とは」から始まるのです。「変化の割合を求めよ」なら「変化の割合とは, …」から思考はスタートするのです。私は, 竹の会で指導を受ける会員たちに, 最初の定義をきちんと言えるように指導します。数学が苦手なのは, 定義がいえないから, つまりは「とは」から思考が始められないからなのです。英語だって, 同じです。「関係代名詞とは, …だったから, …になるはずだ」などと推理がはたらくのです。推理できるのは, 基本的な知識が「とは」の形で口をついて出てくるからです。よく「なぜ」と問うのが思考の始まりだなどといわれますが, 「なぜ」の前に「とは」を強調しておきたいと思います。
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