草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
※2015年10月より竹の会公式HP内にブログ移転

諸事雑感'11.7.4

2011年07月04日 11時04分23秒 | 
 お早うございます。本日は指導日です。今日は全国的に雨のようですが、東京と鹿児島だけは晴れという不思議な天気配置です。土日は仕事に追われてなかなかブログにまで手が回らなくなりました。これから夏期の指導に入るまで、そして夏期中も、指導準備のために他のことに手が回らなくなるかと思います。
 今焦眉の急は、国語指導に力を入れることかと考えております。「銀の匙」を通して国語の世界というものを子どもたちに自由に彷徨ってもらいたいと願っております。「銀の匙ノート」は、自分が「作る」ものですが、提出されたノートを読みまして、まず感じたのは、「想像力」の貧困さでした。「ふっくらとした音」の説明ができません。想像してその想像したことを自分のことばで書いてみるということができないのです。子どもたちのノートを読んでいるといろいろなことがわかってきます。「表現」することがとにかく「頑な」までにできませんね。想像するというのは、具体的にものを考えるということですね。物語の場面の登場人物の所作の意味がまるで想像できないというのは、これまでの読書が意味をなしていないということです。親は子どもたちに読書をさせますが、当の子どもたちは義務的に読むだけで、全く無感動なままに活字だけたどって終わりと言うことでしょうか。そういう問題も抱えておりまして、つまり子どもたちの国語の力のあまりに貧困なことに頭を抱えておりまして、このところなかなかブログにまで手が回りません。
 
◯「原発マネー」を受け取っていた東大、京大の先生たちのこと
  「原発マネー」というのは、いわゆる「寄付講座」とは違います。寄付講座なら、大学のHPの寄付講座一覧を閲覧することが可能です。問題は、東大や京大の先生たちが、様々な関連団体から多額の金銭をもらっているということです。名目は、奨学寄付金、共同研究費、受託研究費といったものですが、これらはHPには載りません。大学へ情報公開請求して数ヶ月ほど待って初めてわかるというものです。月刊誌SAPIOがこれをやり、そのカネのリストを7月21日号に掲載しています。総額約8億円。カネを出していたのは、電力会社、原発メーカー、そして政府です。
 カネをもらっていた学者について。
 東大大学院工学系研究科システム量子工学教授・関村直人 この人がいちばんもらっています。3月12日に「ほとんどの核燃料は、今も原子炉の中に収まっていて、原子炉はすでに停止している状況だ。住民には冷静な対応をお願いしたい」とNHKで穏やかに言っていたあの男です。京大原子炉実験所教授の山名元も多額のカネをもらっていた学者もらっているが、彼はNHKで3月16日に「冷やすことがコントロールできないのは深刻な状況だ。しかし、目に見えてさらに深刻になる兆候は見えていない」と述べている。この男は14日にTBSで「政府の避難指示の方針は先に先にと徹底している。一歩先を進んでいると思ってほしい」とも言っている。
 この当時テレビに登場して政府・東電の立場に立って「安全」を言っていた専門家たちの意見は、その後次から次に明らかになる事実によって、ほとんどデタラメだったことがわかる。
 
◯福島GE製原発は欠陥原発と言われてきたのに・・・
  福島第1原発のマーク?型原子炉は、原子炉とSC(原子炉の下にあるドーナツ状の圧力調整機)を配管でつなぐ極めて脆弱な構造であったことがわかっている。マーク?型では、一体化してこのアキレス腱を解消している。このSCに穴が開いて大量の放射性物質が外に漏れたなどという例は原発の歴史にないといわれています。つまりマーク?はもともと欠陥原発だった疑いが強いのです。さらに。福島の事故では、非常用復水器が機能しなかった可能性が指摘されています。原因は供給配管隔離弁の不可解な閑動作でした。そもそも閉じるはずのない弁が閉じてしまい、蒸気を循環できずに冷却機能が破綻したというのです。弁がなぜ閉じたのかについては、誤作動説が濃厚です。
 真実を知っているはずのGEは沈黙したままです。日本の原子力損害賠償法によれば、原発メーカー側の責任は一切生じないことになっています。もちろん田中角栄時代の自民党がそうしたのです。アメリカ様にどんなに過失があっても私たち日本の国民が死ねば済むことですからという法律です。
 GEは1号機の情報のすべてを東電には知らせていません。4月4日にGEの会長ジェフリー・イメルトが来日し、結果東電は夏に向けた応急処置として火力発電用のタービンをかき集めましたが、このタービンの多くはGE製で、しかもいつもの5割増しの値段で売りつけたというのです。自らが製作した1号機の欠陥については、一切責任を負わないで、収束ビジネスが数兆円の商売になると知るやのこのこやってきてもうけようとする。これになにも文句を言わないで従う経産省はアメリカの官庁です。
 
◯経産省・原子力安全・保安院の実体
  経産省から原子力安全・保安院を分離させて独立させようとする策が唱えられています。しかし、そんなことをしてもまず意味はないでしょう。
  原発施設に対する法定検査などを行う能力はもともと保安院にはないからです。そのような専門的な技術者がいないから、これまで保安院は外部に丸投げしてきたのです。その丸投げ先が原子力安全基盤機構というところです。保安院は機構に委任し機構が法定検査をやってきました。そして、この機構の検査部門には、百数十人の職員が所属し、そのうちの約6割が外部、たとえば原子炉メーカー、電力会社などからの出向者で占められているのです。当然、東電出身者もいます。つまり、東電の法定検査を出向した東電出身者がやる構造になっているのです。
 
◯デービッド・ホフマン(ジャーナリスト)の警告
  日本人はまだ理解していないようだが、しばらく人間の住めない土地が生まれる。チェルノブイリのように、現代社会に大きなデッドゾーンができるのだ。
  (Newsweek8.5号)
 
◯なぜおいしい牛乳が飲めないのか
  牧場などを観光で訪れるとそこで飲む牛乳の美味しかったこと。なぜスーパーで買う牛乳はまずいのか。
  農林水産省は通達で牛乳を生産者が農協に「全量委託」することを義務づけています。そして農協は、おいしい牛乳もまずい牛乳も「全部混ぜてから出荷」するのです。腕のいい酪農家の美味しい牛乳は飲めないしくみになっているのです。腕のいい酪農家が全量を独自ルートで販売することは認められています。とかと、これは酪農家にとってとても無理なことなのです。そこで一部だけでも独自ルートにして消費者に届けることができればと思う人も多いと思いますが、先に述べたように、委託する限りは「全量」とされているのです。そのため農協から出荷される牛乳は農協ごとに他の牛乳と混ぜあわせて売られるのです。
 なぜこのうになったのか。これは競争すると腕のいい酪農家だけが生き残り優劣がはっきりするからです。安定供給のためには組合の維持が大事だとする論理です。心ある酪農家も農協に逆らうことはできないしくみになっています。なぜって、農協はローンや保険など農家の生活の一切に密接にかかわっているからです。
 こうして、私たちは美味しい牛乳を飲むことができないしくみになっているのです。均一化された牛乳らしい味のする飲み物を飲むしかないのです。
 農林水産省よ、ふざけるな。
 
 私たち国民は本当のところを何も知らないままに、知らされないままに、アメリカや国、企業のトップ、学者、官僚たちにいいように操られているのです。日本の新聞がもはや何も真実を伝えなくなり、自らの取材で社会問題を暴露することもなくなりました。テレビはくだらない番組で全く国民を馬鹿にしているとしか思えないし、偏向報道は新聞の比ではない。いったい私たちはどのうよにして真実を知ることができるのか。
 
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