今日は割合を始めたばかりのあるいはすでに3, 4か月はたとうとす子どもたちについてのお話しです。総じてそして例によってその理解がなかなか円滑に運んでいません。
%という記号が思考をピタリと停止させる「おまじない」のようです。私は割合の定義を短い1文にしてまず口頭で言わせることにしています。口頭で言わせて呪を封じることにしています。
「%とは何なの? 言ってみなさい。」と命じます。
最初子どもたちは私が何度となくレジュメで説いているのですが, まず正確に言うことはできません。いつも口をもごもごさせて内容のあることは何も言えません。しかし, 近頃ではたびたびそういう問答が再生されるので, 耳で覚えてしまったようで, 定義は言えるようになりました。
たとえば, 最近こういう問題を出してみました。
「5%の消費税を加えると378円になりました。この品物の消費税をつける前の値段はいくらですか」
ある小5の答え
「378÷5=75.6 ・・・」
別のある小5も同じ。
また別の小5は難しい顔をしてなにやらもじもじしています。
私は怪訝な表情で言います。
「ねえ, 5%とはどういう意味なんですか。」と。
すると最初の小5が答えます。
「え~と。100等分したうちの5個です。」
「そうですね。」と私は目の前のわら半紙に図を書きながらその子に示します。「これが品物だよね。これを100等分したうちの5個分だけつけたしたのが消費税を加えた値段なんだよね」と言いながらそのようすを図で示します。「この378円は100等分したうちの1個が5個分だけ加えられたものでしょ。つまり, 378円は105個分なんでしょ。これで1個分が何円かわかるでしょ。」とまくしたてます。
その子は「あっ, わかった。」と小走りで席に戻ります。
その後, 他の小5たちにも同じことを繰り返します。
食塩水で割合の概念を手ほどきしてきました。問題がワンパターンになってくると子どもというのは内容よりも問い口の形式をみて「かける」「わる」などを機械的に使おうとします。わからないからズルをするのです。食塩水を消費税に変えたとたんにフリーズするのもまだ割合のしくみが頭のに中に「これこれのしくみだ」と定着していないからです。
去年の9月ころでしたか。やはり今の6年生つまり当時の5年生に同じように割合の手ほどきをしました。そのときは当時の小4の2人にも同様に区別することなく同じ内容で指導したのです。割合概念を導入するとき使うレジュメは毎年違います。去年は「小学思考の素」というレジュメでした。このレジュメで4年と5年の指導対象計7人中5年2人, 4年2人が見事に割合をクリアしました。特に4年の2人はその理解はほぼ完璧でした。
理解ができなかった小5のために新レジュメ「1%」を創作しました。そしてこのレジュメが小5の2人を救ったのです。かつては無理だと思われたような子どもがかなりの理解を示すまでに指導が可能となったことが私には成果でした。
この成功例で考えてみると, やはりパスポートコースというのがかなり大きかったと思いました。なかなか割合をものにできない子というのは, 計算が未熟です。4問の課題問題に2時間もかかる子もいます。そうでなくても1時間かかって解いても不正解ということが続く間は割合どころではありません。いろんな意味において最初からたっぷりと指導時間をとった子は苦労しながらも理解にもっていけるのだということが証明されたわけです。
現在, 小5と小6を含めて割合初心の子たちの指導がいよいよ本格化しつつあります。特に, 小6はこの夏に理解にもってゆきたい。しか, パスポートでこなければこれも実現しないままに夏を終わることになる・・・。
長時間かけて何か月かかるということです。長時間というのは普段もパスポートは当然として夏や冬もパスポートで指導時間をかけるということです。そこまでやらなければ「見えない」「狭い視野」にある子の目を「開かせる」ことはできません。
大手のように最初から能力の高い子を選別してクラスを編成し, どんどん進めるなどということとは, およそ無縁の子たちを竹の会は指導してきました。割合でつまずく子は必ずといっていいほど逆算ができません。逆算で2~3か月かかった子は多数います。そしてそういう子は必ず割合で詰まります。竹の会はそういう子を如何にして割合マスターに導くかを長年にわたって課題として取り組んできたのです。そして今こそ竹の会は長年の研究成果を確実に現実のものとしつつあると言っていいと思います。
いずれにしても夏は割合をものにする絶好の機会です。そして長時間指導に申し込んだ子はそれが可能な環境にあります。後は自分勝負です。短時間コースに申し込んだ子はおそらく指導時間がたりないと思います。割合の理解は夏以降に持ち越すことになるでしょう。
割合の指導を始めると小学生が示す傾向があります。
・途中で「時間がきた」といってさっさと切り上げる。
これはパスポートなら防げます。逃しません。
・国語などに回避する回避型
回避する間はものにはなりません。理解を示す子は逆で算数が面白くてしようがないということになりますから, 放っておいても算数ばかり解いています。
以前は, おしゃべりをする, 騒ぐ, 手遊びをする, 携帯をいじるなどありましたが, 今はありません。そういう子はすべて事実上退塾にしたからです。
不夜城
%という記号が思考をピタリと停止させる「おまじない」のようです。私は割合の定義を短い1文にしてまず口頭で言わせることにしています。口頭で言わせて呪を封じることにしています。
「%とは何なの? 言ってみなさい。」と命じます。
最初子どもたちは私が何度となくレジュメで説いているのですが, まず正確に言うことはできません。いつも口をもごもごさせて内容のあることは何も言えません。しかし, 近頃ではたびたびそういう問答が再生されるので, 耳で覚えてしまったようで, 定義は言えるようになりました。
たとえば, 最近こういう問題を出してみました。
「5%の消費税を加えると378円になりました。この品物の消費税をつける前の値段はいくらですか」
ある小5の答え
「378÷5=75.6 ・・・」
別のある小5も同じ。
また別の小5は難しい顔をしてなにやらもじもじしています。
私は怪訝な表情で言います。
「ねえ, 5%とはどういう意味なんですか。」と。
すると最初の小5が答えます。
「え~と。100等分したうちの5個です。」
「そうですね。」と私は目の前のわら半紙に図を書きながらその子に示します。「これが品物だよね。これを100等分したうちの5個分だけつけたしたのが消費税を加えた値段なんだよね」と言いながらそのようすを図で示します。「この378円は100等分したうちの1個が5個分だけ加えられたものでしょ。つまり, 378円は105個分なんでしょ。これで1個分が何円かわかるでしょ。」とまくしたてます。
その子は「あっ, わかった。」と小走りで席に戻ります。
その後, 他の小5たちにも同じことを繰り返します。
食塩水で割合の概念を手ほどきしてきました。問題がワンパターンになってくると子どもというのは内容よりも問い口の形式をみて「かける」「わる」などを機械的に使おうとします。わからないからズルをするのです。食塩水を消費税に変えたとたんにフリーズするのもまだ割合のしくみが頭のに中に「これこれのしくみだ」と定着していないからです。
去年の9月ころでしたか。やはり今の6年生つまり当時の5年生に同じように割合の手ほどきをしました。そのときは当時の小4の2人にも同様に区別することなく同じ内容で指導したのです。割合概念を導入するとき使うレジュメは毎年違います。去年は「小学思考の素」というレジュメでした。このレジュメで4年と5年の指導対象計7人中5年2人, 4年2人が見事に割合をクリアしました。特に4年の2人はその理解はほぼ完璧でした。
理解ができなかった小5のために新レジュメ「1%」を創作しました。そしてこのレジュメが小5の2人を救ったのです。かつては無理だと思われたような子どもがかなりの理解を示すまでに指導が可能となったことが私には成果でした。
この成功例で考えてみると, やはりパスポートコースというのがかなり大きかったと思いました。なかなか割合をものにできない子というのは, 計算が未熟です。4問の課題問題に2時間もかかる子もいます。そうでなくても1時間かかって解いても不正解ということが続く間は割合どころではありません。いろんな意味において最初からたっぷりと指導時間をとった子は苦労しながらも理解にもっていけるのだということが証明されたわけです。
現在, 小5と小6を含めて割合初心の子たちの指導がいよいよ本格化しつつあります。特に, 小6はこの夏に理解にもってゆきたい。しか, パスポートでこなければこれも実現しないままに夏を終わることになる・・・。
長時間かけて何か月かかるということです。長時間というのは普段もパスポートは当然として夏や冬もパスポートで指導時間をかけるということです。そこまでやらなければ「見えない」「狭い視野」にある子の目を「開かせる」ことはできません。
大手のように最初から能力の高い子を選別してクラスを編成し, どんどん進めるなどということとは, およそ無縁の子たちを竹の会は指導してきました。割合でつまずく子は必ずといっていいほど逆算ができません。逆算で2~3か月かかった子は多数います。そしてそういう子は必ず割合で詰まります。竹の会はそういう子を如何にして割合マスターに導くかを長年にわたって課題として取り組んできたのです。そして今こそ竹の会は長年の研究成果を確実に現実のものとしつつあると言っていいと思います。
いずれにしても夏は割合をものにする絶好の機会です。そして長時間指導に申し込んだ子はそれが可能な環境にあります。後は自分勝負です。短時間コースに申し込んだ子はおそらく指導時間がたりないと思います。割合の理解は夏以降に持ち越すことになるでしょう。
割合の指導を始めると小学生が示す傾向があります。
・途中で「時間がきた」といってさっさと切り上げる。
これはパスポートなら防げます。逃しません。
・国語などに回避する回避型
回避する間はものにはなりません。理解を示す子は逆で算数が面白くてしようがないということになりますから, 放っておいても算数ばかり解いています。
以前は, おしゃべりをする, 騒ぐ, 手遊びをする, 携帯をいじるなどありましたが, 今はありません。そういう子はすべて事実上退塾にしたからです。
不夜城