草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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仮定の前の微細な観察

2014年10月16日 20時18分18秒 | 
 遅くなりました。寒くなりましたね。風邪をひかないように用心です。二十数年前に渋谷の東急ハンズで見かけたリクガメがずっと記憶の底に残っていました。ひょんなことから入間市にあるリクガメの店を見学してきました。リクガメというのは、菜っ葉しか食べないというのがすごいですね。うちのカメはもう20才ほどでしょうか。一年中お気に入りの岩の上で過ごしています。
 さて、今日は、昨日疲れて仕事ができなかったので朝からめいっぱいがんばりました。今日のメインの仕事は冬期指導のためのレジュメ制作でした。途中渋谷のジュンク堂に出かけて灘中などの過去問を仕入れてきてまた帰ってから仕事を続けました。
 「勝導」は月曜日にほぼ原稿を仕上げていましたので、今日は残っていた解説の制作を済ませました。都立武蔵の問題を解きました。ここの問題は、小石川のようにパズル型問題というものはなく、膨大な資料を読み解き推理させるという問題です。竹の会これまで多摩地区の都立を志望した子というのは1名もいません。桜修館や両国、小石川などの参考にあまりならないのかなと思います。
 わたしは今灘中と麻布中の問題ばかり解いていますが、この域の問題になりますとなんでもない問題文のちょっとしたところに深い意味があったりします。それにしても問題文を読んでから、意味を理解する過程というのが特に大切です。ここは時間をかけてとにかく注意深く読み取り理解していきます。このときによく思うのです。子どもたちはここでまず分けられます。「わからない」と悩むのもこの過程です。
 わたしはこの過程では観察することがとても大切と思います。事実を時系列に整理するというのはよくやることですが、わたしたちは問題の事実をとにかくいろいろに整理してみるということをまずやります。
 そして具体的事実を次第に抽象的な事実へとシンプルにしていくわけです。
 この事実を整理して次に抽象的な事実へと書き換える過程、これができるためには、その前提として、問題文の丁寧な観察、意味をつなげる思考過程というものがあるわけです。できないという子というのを見ていると、事実をほとんど理解してないということに気づくはすです。
 事実をほとんど読み解いていないのです。事実の交通整理もできてない子がなんと多いことか。よく算数を解くときに「図をかきなさい」というのは、問題文をどれだけ正確に理解し、その理解を図で表せるということは、微細な観察をしたということを示すからです。
 算数ができないという多くの小学生は、算数の問題そのものを解く以前の事実の整理、微細な観察ができていないということです。でくない、分からないという子はまず事実そのものをまるで理解していないということがわかるはずです。
 算数というのは、いや適性問題でも、国語でも同じことなのですが、まず事実の読み取り、そこでは微細な観察こそが問題なのです。とにかく算数以前にまず事実を微細な観察眼をはたらかせて理解することです。
 多くの算数のできない小学生というのは、算数の問題を解くということが、実は、算数ではなく、事実の整理・観察だというひとがわかっていない。
 さて事実をシンプルにえがけたら、次の段階は、仮定をはたらかせる過程です。思考とは、仮定をはたらかせることです。算数の問題はすべて仮定です。思考というのは仮定に仮定を重ねていくことです。仮定を重ねるにはルールがあります。論理的に重ねることです。論理的というのは、前後矛盾なくということです。筋が通っていることといってもいいでしょう。
 仮定するというのは、想像するというのと同じです。国語の物語文の人物の心理などは言葉を手がかりにいろいろ想像するということです。論説文だと筆者の仮説、主張を仮定思考で検証するということをやります。
 算数が「わからない」という多くの小学生はこの仮定の段階の前の観察の段階ですでに躓いているということです。
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