草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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都立中高一貫校は都立の救世主となったのか

2014年03月14日 18時57分45秒 | 
 東大前期の発表があって国立大の結果も出そろいつつある。都立一貫校のもともとの発想は5年で高校までの課程を終え残りの1年で大学入試に専念させるという意図であった。その背景には国立大学に合格できない都立の実態があった。いわゆる都立の凋落と言われたものである。ここでこれまでの高校3年型というものを超えるものとして中高6年型が考え出された、というよりは灘、開成といった私立中高一貫校を真似ただけということなのであるが、3年型は本当にだめなのかという議論も出てきて、錯綜している。
 今では開成などの進学校には3年型で大学進学を指導できる教師はいないとも言われているが、かつての都立全盛時代には3年型になんの疑問もなかったのである。そして都立高校は日比谷、西といった3年型高校がこのところの躍進すさまじく、2強として、他の3年型そして6年型都立の上に君臨する。都立一貫校もそろそろ評価が定まりつつあるといっていいであろうか。それまで凋落していた都立高校のてこ入れの結果、受験熱を呼び覚まし、結果、これまでの戸山、青山といった進学重点校並みになったか、あるいはやや劣るか、といったところで落ち着いてきたという気がする。
 日比谷高校は3年前にのことだったか、慶応高校や早稲田高等学院などに合格した子たちが日比谷に流れたという年があったが、その流れは今も変わらないであろう。6年型教育を受けた者か、3年型か、という図式が、同じ都立の中で対照的に比較されるのも興味深いことである。私立は6年型で迷いがない。少子化と都立の巻き返しで私立中の存続に対する危機感は相当のものであったろう。生き残りをかけてどの私立も特進クラスを設けて進学実績を上げることに必死となっている。
 
○東大前期合格者と都立高校
 日比谷高校が35人の合格者を出している。うち現役は19人である。西は29人であった。現役は11人。続いて、国立が21人、八王子東が7人、戸山が6人である。ここで都立中高一貫校の小石川が5人、白鴎も5人と一貫校ではトップである。3人は、青山、桜修館、武蔵、両国である。立川、立川国際が2人、九段、国際、国分寺が1人である。
 
○その他の国立大学と都立高校
 
●京都大学  都立西が京大に13人の合格者を出している。戸山と小石川が4人である。1人が、青山、桜修館、国分寺、新宿、八王子東、武蔵。
 
●東京工業大学 西が9人、戸山と日比谷が6人合格。国分寺が4人、2人は、桜修館、小石川、小山台、立川国際、武蔵、両国がある。1人は、青山、北園、翔洋、新宿、竹早、豊多摩、白鴎、武蔵野北。
 
●一橋大学 国立が17人。青山が10人。西が9人。武蔵が7人。1人は、桜修館、九段、小山台、白鴎、日比谷、三田、両国。
 
●筑波大学 8人 小山台、戸山。6人 小石川、立川。 5人 国立、国際、国分寺、小松川、日比谷。4人 八王子東、武蔵。
 
●東京外語大 13人 国立。5人 青山、立川、立川国際。3人 新宿、武蔵。 2人 駒場、竹早、西、白鴎、武蔵野北、両国
 
●東北大学 8人 八王子東。5人 戸山。2人 九段。
 ●大阪大学 2人 新宿、日比谷。1人 国分寺、西。
 
●九州大学 1人 青山、小石川、国分寺、戸山、八王子東、武蔵。
 
●東京農工大 6人 立川、戸山。5人 小石川、武蔵野北。
 
●横浜国立大 11人 青山、小山台。6人 八王子東。

 どうであろうか。6年型も確かに伸びていますが、やはり伝統的な3年型の強豪校が強いということがわかります。
 高校入試で3年型の都立トップ校に進むことは決して悪い選択ではないのです。
 わたしは惜しくも都立中に失敗した子どもたちが、強い向上心をもってトップ都立高校に挑むのを応援します。
 もともとわたしは都立高校指導のスペシャリストです。そのことはHPの「竹の会合格実績」を見ればわかることです。
 

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