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草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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合格最低点の真実

2011年01月20日 09時51分58秒 | 
 志望校の合格最低点はどのくらいなのか, だれしも気になるところである。声の教育社の過去問集には付録として合格最低点が掲載されている。もっとも有名校や公立については非公表である。
 私立の合格最低点というのは一応の目安になり便利である。ただ, 学校側の公表最低点というものがどこまで信頼できるのか疑問はある。学校が公表している最低点よりはかなり低くても合格しているのではないかという疑いがあるからである。
 非公表が建前の都立では, 塾向けの学校説明会に行けば, かなりの内部情報も漏らしてくれる。それによると独自校では予想してたよりかなり低いところで合格している。主要3科だと55点前後が合格ラインと見られる。
 かつて都立青山に独自問題の数学20点台で合格した男子がいたが, そんなものである。20年に都立西に合格した女子は, 過去問検査で70点台であったから, かなりできる子であったと思う。独自問題は私立難関校の問題と比べて遜色はない。
 謎なのは東大附属であった。ただ落ちる者は実際にできていないから落ちただけのことであると思う。東大附属に関しては, ここ2, 3年は受験者のレベルは確実に高くなっているような気がする。過去の合格者は学校では「できる」子とされている子が普通であるが, 割合などの理解はそれほどでもなかった。私立中の割合小問がとけない子ばかりであった。その程度で合格できるのかといった感想を持っている。ところが, ここ2, 3年ではその程度では合格できないであろう。ただ去年合格した子については, 過去問のできが悪かったので, なぜこの子が合格できたのかという不思議な感想を持っている。
 結論的には, 確実に合格できるラインというものは, 実は見えている。東大附属の過去問は易しい。その過去問で80%を常時解答できるほどの力をつければ文句はないはずである。そしてそれは算数力で可能となることもはっきりしている。竹の会の指導技術はそれを可能としている。
 現在人気の区立九段及び都立中の合格最低点はかなり低いと推測される。竹の会の過去の合格者からの情報やブログの読者情報からは, 驚くばかりの低い合格点が報告されている。
 適性検査では, 私立の客観テストと違い本来の採点基準が曖昧である。ただ私は常日頃から子どもたちに「問いに答える」ということを厳しく指導している。私の指導経験からするとほとんどの子が「問いに答えていない」。そういうところで点がとれていない子が夥しい数いると推測される。不合格とっなたのは「問いに答えていない」からで, ほとんど零点に近い子がほとんどではなかろうか。だから合格者というのは, 「問いにやや近いことを答えた」程度で受かっているのではないか。ほとんどの子が問題を誤解して勝手な的外れの答えを書いていると思われるのである。そういうものをミスというのはおこがましく, つまりは適性能力に欠けるということで, まさに適性検査であったということである。
 都立中受検者の大半は, ミスで自滅する。だから合格するには, ミスをしないようにすればいいだけのことである。それには「問いに答える」ことである。「問いに答える」というのは, 実は簡単ではない。私がいくら指摘しても問題文の字句を軽視し, 読み流して問いを外す子が跡を絶たない。「季節に関連させて」とあるのに, 「2月は・・・」などと書く。季節は春夏秋冬だろと突っ込みたくなる。総じて問題文の読みが甘い。それとなく問題文に書かれたヒントを平気で無視してしまう。
 都立中の不合格者はただ自滅した結果にすぎない。

◎無為に過ごして自滅する子たち

 こと高校入試に関しては, 中学3年間の勉強量で決まるだけのことである。よく中1 中2のときは, 定期テストの前以外は勉強らしい勉強もしない子が多いが, こういう子たちはすでに圏外の子たちである。かつては中3になったのでそろそろ受験勉強をという親が多くて中3の問い合わせが多かった。そういう時代の都立はグループ制といって一端志望校に落ちても, 合格できる仕組みになっていた。分かりやすく言えば新宿に落ちた子が, 新宿に合格できたのだ。私立もまだ少子化前で活気があった。中3になってから勉強しても実際合格する子がたくさんいた。だから親も受験は中3になってからと鷹揚なものであった。
 公立中の学力低下の時代は, 私立の全盛期であった。優秀でできる子はみな私立に流れた。公立はごく少数のできる子とその他大勢の学習不振児で満たされていた。少子化が進むと都立に生徒が来なくなった。あるいはできない子が都立に進学して大学進学は最低であった。都立の復権が叫ばれて, 公立中高一貫校がブームとなり, そこに不況が重なって, 受験地図の模様は一変してしまった。
 さてここ数年の高校入試は激変した。良質都立の一部は一貫校化して頂上校及び残された良質都立と底辺校に分かれた。少なくとも良質都立に行くには並大抵のことではなくなった。数が減ったのだから当然である。
 西・日比谷といった頂上校は多くの受験生にとっては雲の上の学校となってしまった。なにしろオール5の子ばかりが集まるのであるから。
 戸山・青山・駒場・新宿といった良質都立も実は共通問題校と独自問題校で難易の差がある。それまでの学校優等生(オール4以上)たちは, 共通問題出題校が受けやすいという意識があるのではないか。つまり良質都立を受ける受験層も真の実力のある者と共通問題なら8割はとれるが独自問題には自信がないという層に二分されている。ここで志望校も自ずと色分けされてくる。
 さてこのような現況において, それまでのように中3からそろそろ受験勉強をというのはすでにして圏外ということは理解してもらえるのではないか。
 部活も結局マイナスとなる。部活を続けてトップ都立ないしは良質都立に入れるとは思わないほうがいい。これは昔から真理で部活に沈む者は私立の底辺校に単願で沈むのがもっとも多いパターンであった。
 少子化で日大クラスの推薦もとりやすくなっている。といっても5科目4以上は必要である。4が目安である。3ではダメである。
 失敗は「なにもしない」ところからくる。漢検は受けない。理科はやらない。社会は嫌いだからやらない。いったい土日は何をしているのだろうか。部活で潰しているのであろうか。ディズニーにでも行って一日潰しているのであろうか。一日中漫画を読んだり, テレビゲームでもしているのであろうか。それとも何もしないでボーっとしているのであろうか。何時間も何もしないのであろうか。
 「何もしないで自滅する」子たち。
 リスニングのために基礎英語を勧めたものの, 結局長続きせず「何もしない」道を選んだ子たち, 理科の教科書を読んでまとめる, 社会の教科書を読んでまとめるという地道な努力を結局しない道を選んだ子たち, 漢検は結局受けない, つまりは漢字の練習はしないという道を選んだ子たち, 読書はしないという道を選んだ子たち, なぜに君たちは自滅する選択をするのか。
 日々の選択で「何もしない」を選択するのはなぜなのか。
 部活で消耗するという選択は, 勉強しないという積極的な選択でもある。しかし, 部活という大義名分がそのことから目をそらせる。
 なぜに自滅する道を選ぶのか。今が楽でありさえすれば, それでいいのか。勉強は辛い, 面倒くさいというただそれだけで今の楽を選ぶのか。それが自滅の道だとわかっているのに。
 私は竹の会に自滅の道を選ぶ中学生を置くことはしないであろう。
 
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