草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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わからなければなんとかする

2013年03月14日 20時45分50秒 | 
 「わかりません」とそっと小声で消え入るようにいう言葉を確かに受け止めました。いや「わかりません」と意思を伝えてくれただけでもわたしにはすごい情報でした。
 作ったレジュメに目を輝かせる子もいれば、伏し目がちにそれでも健気に訴える目をして白紙のレジュメを差し出す子もいます。
 わたしはそれから2、3日はしばらく気分がすぐれません。いろいろ考えます。正直「どうしょうか」と悩みます。「入会試験はもっと厳しくしなければ」と独り言を言ったり、なにか頭はすっきりしません。
 ようやくパソコンを開き、また気持ちを高揚させます。新たにレジュメの創作にかかります。「わからなければわかるようにしてあげる」、そんな思いを強くいだいて、レジュメを執筆します。「わからない」といった、その子の顔を思いながら、わたしはレジュメに没頭します。
 「割合ドリル」を書いていました。その子の顔を思い浮かべていたら、「これでは難しすぎる」と思い直しました。一瞬閃きました。「新割合感覚ドリル」を思いつきました。「わからない」なら、割合の定義を100回でも200回でも感覚が覚えるまで訓練してやろうと思いました。「わからなければわかるようになんとかしてあげる」そう決意しました。
 まだまだ負けない。まだまだ可能性のほんの少ししか試していないではないか。自分の怠惰の、能力のなさ、を子どものせいにしてはいけない。そう思いました。
 今年の受検では、子どもたちをとにかく引っ張ってきた。わたしが引っ張ってきた。それまで子どもたちの能力、努力に任せ過ぎていたのではないか。わたしが引っ張る。そうすれば子どもたちは「伸びる」、「受かる」、そう確信した。だから今は子どもたちを引っ張ることしか頭にない。わたしが自分の怠惰で子どもたちを導けるのに、放置することはできない。わたしができるあらゆる努力を惜しんでは子どもたちに申し訳は立たない。子どもたちがあんなに純粋にわたしから学ぼうとしているのに、わたしが安穏としていられようか。生活のすべては子どもたちのために使わねばならない。
 塾とは、子どもたちを「引っ張る」、前へ前へと「引っ張る」ところでなければならない。去年はいろいろ学ぶことがありました。今年合格した子たちがわたしにそのことを教えてくれました。
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