草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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今日も平熱で仕事開始です

2014年12月20日 12時44分05秒 | 
 おはようございます。今日も平熱で目覚めて、昨晩初めて形のあるもの(カレーライス)が食べられたせいか、やや力が出てきました。ようやく仕事に手をつける元気が出てきました。
 もう師走の廿日なのですね。光陰矢のごとし。わたしのような仕事を長くやっていると一年経つのが本当に速い。今年の受験生を送り出したらすぐ次の受験の子たちのためにもう切りかえて一生懸命ですから、すぐにま次のた師走が来る。いつもいつもこのようにして次に来る師走を一度もゆっくりとくつろいだことはなく仕事に忙殺されてきました。母が生きている間に一度でも大晦日を一緒に過ごすということができていればとよく思います。子どもの頃過ごした大晦日はそれはそれは楽しいものでした。母と祖母が手作りのさまざまなお正月料理がずらりと並びそれは壮観でした。漬け物だって何種類も並べられました。すべて祖母の手作りです。梅干しも白菜漬けもそれは美味しかった。もうあんなに美味しい白菜漬けには一生出会うことはないと思います。いつかどこかの料亭の白菜漬けというのを買って食べたけどまるで口に合わない代物でした。こんなんなら、ばぁちゃんの漬け物のほうが数段上じゃんいか、何が老舗の料亭の漬け物かわけがわからん、と思ったものです。
 冬にはよく阿部の本家のある中山香(
なかやまが)という村に自然薯を堀りに出かけました。村はほとんど全部が阿部姓なので、くねくね曲がった道を4里ほど歩いて初めて見つけた人家に声をかけて「阿部の家ってどこにありますか」と尋ねると、「あは、このあたりはみな阿部だよな。」というので、何気に表札を見ると「阿部」と書いてある。しかも名前がない。なんじゃこりゃ、じゃどうやったらみつかんるんじゃ。「あっ、昔は庄屋やってた家なんですけど」、「ああ、??ちゃんとこかえ。ふなあんたひろちゃんの子どもさんかえ。それならこの道の一番奥にあるわい」と解決。なんとうちの親父の名前を知っていた。(当然かもしれない。もともと長男相続、長男相続で親父は長男だったのだから)。こんな広い村でそんなことがわかるのかと感嘆しながら阿部本家にたどり着きました。そこで一休みしたらまわりは全部の本家の山だというのでどこで掘ってもいいのだそうな、それで弟と2人で猪や猟師の鉄砲にも注意しながら自然薯掘りに汗を流しました。途中の本家の息子が見にきてくれました。たいした大きな芋がとれずに小物ばかりでしたがそれなりに掘って本家のある家に戻ったところ、お茶を出してくれましたが、添えてあったたくあんが今でもまだ食べたことがないほどの絶品でした。バリンバリンと音を立てるように切れ味のいいものでした。田舎のたくあんはこんなにおいしいのかと感動しました。そうこうしているうちに村人たちが声をかけてくる、「ひろちゃんの子どもがきとるんって」と、見たこともない大きな自然薯の束を届けてきました。さすがに土地の人が掘ると場所も心得ていてものが違います。
 こうして別府まで持ち帰った自然薯はたいそうなものになりました。別府ではこれをいちばん美味しく食べるのはやはりすり下ろしてだし汁を入れながらすりこぎでごりごりと粘りが出るまで回転させます。かなり腕が疲れます。骨の折れる料理ですが、味は絶品です。山奥の黒い土の中に周りの養分を無駄なく取り込んで成長した自然薯は粘りも強く、味もまず東京では味わえない代物です。時折、弟がいいのが手に入ったと送ってくれます。たまに田舎の自然薯が朝市などに出るのだそうです。ただ母が作ったようにはなかなかいきません。まずだし汁が違うのです。
 大晦日の料理は普段ご馳走と縁のなかった人々の数少ない宴の一つだったと思います。今のように普段からなんでも食べたいと思うものを食べられる、東京なら美味しいレストランがいっぱいある、そういう環境では大晦日にご馳走を食べるという感動はないでしょうね。
 そういうわけで故郷の大晦日はそれはそれは楽しい宴となりました。わたしたちが長じてからは家族が集まり久しぶりの再会を喜ぶ場でもありました。しかし、そういう機会もわたしには全く無縁なこと、いつも子どもたちの指導に明け暮れて、大晦日がなんだったのか、正月がなんだったのか、ほとんど忘れてしまうほどに考える暇もありませんでした。
 明日は、指導を実施できる予定です。熱が平熱であることがこんなにもうれしいこととは、いつもわたしを見守ってくれている母に感謝しなければなりません。
 みなさまからも励ましのメールをいただいたりして心に響いております。ありがとうございます。
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