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草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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東京大学教育学部附属中等教育学校のこと

2012年02月07日 12時36分29秒 | 
 東京大学教育学部附属中等教育学校(以下東大附属中)を受検するという子の親御さんは、必ずといって私のかつて書いた記事を読まれるようです。ブログの解析を見ると「東京大学附属中学」などで検索する人がかなりいるのがわかります。それで私の過去記事に行き着く人が多い。あるいは私の過去記事がいたるところで引用されていることがわかります。
 それだけ東大附属中に関心を持たれている人が多いということです。なかなかの人気ですね。実質倍率も6~7倍で、しかも都立中ほど難しくはないということもあるかと思います。さて、正直今ここを受検するとしてどのような準備をすればいいのかということです。
 東大附属の問題というのは、適性検査と作文、そして実技に分かれます。作文は純粋の作文の問題ではなく、どちらかという読解問題に近いと思います。しかも、それほど難しくない文章です。適性検査問題は、平成23年の問題に限っていえばやや難しかったかもしれませんが、過去の問題はみなそれほど難しくはない。適性検査の内容は、理科と社会の問題、パズルなども出ています。総体的には、算数の基本的思考ができていれば簡単ではないかと思います。
 理科と社会については、教科書に出てくる基本の事項をきちんと理解していれば十分ではないかと思います。
 問題は、つまり合否を分けるのは、実技のでき如何ではないかと思います。
 これは簡単な事理です。つまり、適性、作文、実技に各100点ずつ配したとして、適性と作文ではそれほど差はつかない。実技はここ2,3年は50点×2問です。もし、この実技を1問でも落とすとなんと50点もの差ができるのです。2問なら100点差です。通常の試験の合否ラインが1点、2点差ということを考えて見ればその重大性は自明です。私は、仮に1問落としてももはや受からないと見ています。と言いますのは、東大附属の実質倍率は6~7倍です。この中で7人中実技満点の者が1人いれば、他のだれが1問つまり50点取ったとしても、もはや受かる目はないということです。50点差は通常の試験ではありえない差です。実技というのは、そのありえない差を簡単に作ってしまうのです。
 こうして東大附属中に合格するには、実技満点が要件となるということが、いちおう見えてきました。もちろん、実技50点でも適性と作文が高得点なら合格するということも云えそうです。しかし、それももし適性と作文が易しければみな点がいいわけですから、結局実技で決まることになります。
 この実技というのは、どんな内容かというと、それについては、このブログでも過去に出された問題を紹介していますが、折り紙や箱作りなど多様です。ちなみに今年はロープの問題だったそうです。正直対策はとりにくいですね。ただ折り紙にしてもまるでやったことのないというのは論外です。ただ折り紙といっても単純ではない。
 一般的には、「その場で与えられた課題」について、課題の意味を理解し、その趣旨にしたがって、(隠された出題意図である)設計図通りに「操作することができるか」です。設計図はそれとして指示されることはなく、推理・推論で「正しい設計図」を想定しなければならないということです。実は、実技といっても、基本の出題コンセプトは、指示された課題を論理的推論で想定される設計図にしたがって操作できるかが問われているのであり、そのために折り紙やその他の様々な手段が使われるということではないかと思います。
 そうとすれば、これからの実技対策というのは、外見上の手段はどうでもよく、出題されている「操作の論理的な意味」を解明していくことではないかと思う。
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