ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

イーグルがタイへ出発

2007年11月22日 | その他
いつの間にか迫ってきたWBC世界ミニマム級タイトルマッチ。
日本の角海老宝石ジムに所属する王者、イーグル・デーン・
ジュンラパン
が、試合の地であるタイへ出発した。

タイ人のイーグルだから、「凱旋試合」として歓迎されても
おかしくないのだが、今回は挑戦者もタイ人。イーグルはかつて
一部のタイのボクシングファンに、「タイを捨てて日本へ行った」と
非難されたことがあるという。やはり、ずっとタイでキャリアを
積んできた挑戦者、オーレイドン・シスサマーチャイの方に
声援が集まりそうな気はする。


イーグルは、アマチュア、そしてプロで数戦してから日本へ
渡ってきた。タイでの試合経験が皆無ではないことから、
リングに上がってもさほど違和感を感じない可能性もあるが、
これは世界戦、そしてタイ人からの信仰が厚いフミポン国王の
誕生日祝賀イベントの一環として行われる試合なのだ。
いつも以上に緊張することが考えられる。

下馬評では、実力だけで言えばイーグルの方が上であると
言われている。つまり、それなりのコンディションで試合開始の
ゴングを聞くことができれば、イーグルの勝利は堅い、という
ことになるが、特殊な状況の中での試合だけに、精神面の
不安要素は少なくない、というわけだ。

クールな技巧を持つイーグルだが、意外と精神的コンディションに
出来が左右されることが多いように思う。トレードマークにも
なっている、試合中に出す笑顔も、熱くなりやすい本来の性格を
抑えるためのものであることは周知の通り。決して「王座は安泰」
とは言い切れない部分もあるのだ。


試合は29日。いい形で防衛し、日本のファン、そしてタイの
ボクシングファンの支持を増やすことが出来るだろうか。