ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

角海老宝石ジム

2006年01月22日 | その他
ここ数年、ほとんど途切れることなくチャンピオンを生み出している
角海老宝石ジムだが、今年に入ってもその勢いは止まることを知らない。
9日にイーグル京和が世界王座を防衛したのを皮切りに、小堀佑介、
渡邉一久が日本タイトル、榎洋之が東洋タイトルと、立て続けに
王座を獲得している。しかも、いずれも圧倒的な内容でのKO勝ちだ。

(ちなみに、渡邉がKOで王座を獲得したことにより、越本隆志から続く
「日本フェザー級の新チャンピオンはKOで生まれる」という流れは
またしても途切れず、ついに10年を経過したことになる。) 

このジムは、ソープランドチェーン「角海老」のオーナー鈴木正雄氏が
1977年に創立した。鈴木氏は熱烈なボクシングファンではあるが、
ボクシング経験はない。しかし経営者としてのノウハウや、ボクシングに
対する知識と愛情の深さがこの成功に繋がっているのだろう。

ボクシングジムの運営にはお金がかかる。プロボクサーを育成するためには
ジム自体も「プロ加盟」しなければならないが、その加盟金がまた高い。
プロ経験に応じて金額は異なり、元日本王者なら500万円、元東洋太平洋王者は
400万円、元世界王者が300万円。プロライセンスを取得して5年経過した者は
700万円、ライセンス取得5年未満の者や未経験者だと1000万円にもなる。
鈴木氏がジムを設立した当時にもそのようなシステムがあったかどうかは
知らないが、いずれにせよ余程の情熱と財力がなければジムなどは作れない。

それはともかく、角海老宝石ジムの快進撃はまだしばらく続きそうである。
チャンピオンが一人でもいると、ジムの雰囲気はぐっと活気に満ちてくるし、
勢いも出る。その勢いで立て続けにチャンピオンが生まれることは、
ボクシング界では決して珍しくないのだ。