344話)ツメレンゲ

 このなかまは日本にもあります。うちの近所の〇〇〇の駅の近くの崖面に生えていました。昔はどこにでもあったようですけど、減っているようです。大同では、まだまだたくさんあります。とくに、南天門自然植物園にはたくさん生えています。

 もう10年近くになるでしょうか。できるだけきれいな植物標本をつくりたいと思って、日本から乾燥剤のシリカゲルを準備していったことがあります。急速に乾燥させることで、植物の色落ちを少なくさせようと思ったのです。

 そのとき、このツメレンゲを採集しました。新聞紙にはさみ、そのあいだにシリカゲルをいれ、野冊ではさんでおきました。翌朝みると、なんと、このツメレンゲがそのなかで、ギューッと伸びているんですよ。1晩のうちにですよ。信じられないくらいです。乾燥につよいことを、みずから主張したかったんですかね。

 同じようなところに、たいてい、アリジゴクが棲んでいます。スリバチ状の小さな巣をつくり、アリなど虫がそのなかにはいってくると、砂をあびせかけて、逃がさないようにするわけですね。そして、最終的には食べてしまいます。日本では、お寺の縁側の下とか、民家の軒下とか、雨水のかからないところにいます。ところが、大同では、ふつうの露天にアリジゴクが棲んでいます。それだけ雨が少ないということです。
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