1192話)住民をにくむ

南天門自然植物園の境界に沿ってトゲのある植物を植えたことを書いているうちに、急に思いだしたことがあります。国土緑化推進機構と朝日新聞社が主催する国民参加の森林(もり)づくりのシンポジウムが東京であり、パネリストとして私も招かれました。2000年4月のことで、この年のテーマは「海外緑化とボランティア」。ほかのパネリストは、新妻香織、広若剛、堀田力、渡辺桂、竹内敬二のみなさんでした。

1992年いらい、春の桜の時期、私はいつも大同で、花見をすることができなかったんですよ。でもこの年はシンポジウム参加のために一時帰国し、サクラの花にまみえたのはうれしいことでした。

渡辺桂さんの楽屋裏の話が楽しかったのです。フォレスター症候群というのがあるそうで、たとえば、フォレスターはひそひそ話をしない、怒鳴りあう。フォレスターはちびちび飲まない、ガバッと呑む。フォレスターはまっすぐな木をみるとうれしくなる、まっすぐ大きな木がたくさんあると最高にうれしくなる。……そして最後に、フォレスターは森林を愛するけれども、住民を憎む、というのがありました。

シンポジウム参加のころ、私はまだ住民を憎むまでの気持ちはわからなかったんですけど、その後も経験を積むなかで、深刻にわかってきました。くそっ、なんでこんなジャマをするんだ、おまえがいなかったらずっとうまくいくぞ!

昨年9月、名取市のゆりりん愛護会が開催した海岸林再生の活動に参加したら、そこに新妻香織さんがいらしたのです。なつかしかった!
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