571話）大沙河

　砂河鎮から神堂堡にむかう途中、国道108号線にそって、河が流れはじめました。私たちの進行方向とおなじ方向に流れます。神堂堡からは、私たちと同じように382号線にそって流れます。

　大沙河です。くるまが渋滞で動けなくなったので、おりて写真を撮りました。なんという幸運でしょう！　大沙河をねらったアングルのなかに、万里の長城がはいります。何回かまえに書いた内城ですね。おそらく明代のものでしょう、レンガづくりのたいへん美しい狼煙台があります。でも、じっさいにこうやって写真になると、狼煙台は小さくて、よくみえないのがザンネン。

　渋滞で動けなくなると、魏生学副所長が飛び出すようになりました。グチャグチャにつまっている大型トラックの運転手に指示して、少しずつ動かさせ、私たちのくるまがすすむスペースを確保するのです。こういうときの彼の働きは、きわめて的確です。

　10kmあまりの渋滞区間をぬけるのに、4時間はかかったでしょうか。でも、私たちのような乗用車だから、それですんだのです。話しかけてきた大型トラックの運転手は、もう2晩もこの渋滞のなかにいるそう。さらに何日かかるか、わからないのです。