439話)苗を育てる

 放牧と柴刈りを止めると、敷地内に大きな変化が起こりました。まずは草や灌木が茂りはじめ、それまでせいぜいヒザの高さだったものが、腰や胸の高さになり、種類も変わってきたのです。以前はキンポウゲ科をはじめとする毒のあるものと、トゲのあるものにかぎられていたのが、ハギやウマゴヤシなどマメ科のものなどが増えてきたのです。

 近くの自然林で種を集めて、苗を育てることもはじめました。最初の張り切りようは尋常ではなかったですからね。たとえばナラの種のドングリを200kgも彼らは集めてきました。あれって、けっこうむずかしいんですね。熟するまえのものは発芽力がよくありません。かといって、木から落ちると、たちまち動物に食べられてしまって、集められません。それに、自然林までは、彼らの足でも何時間もかかるんですよ。

 集めた種を最初の年は環境林センターの地下倉庫に貯蔵しました。乾燥しないように、ビニール袋を二重にして。冬に私がいったとき、念のために袋をあけてみたら、プーンといい臭い。その年はなかなか気温が下がらなかったために、アルコール発酵しちゃったんですね。
 
 最初の年はそんなふうに苦労しましたけど、だんだんに慣れてきました。たくさんの種類の苗木を育てる、ということでは彼らはずいぶん経験を積んでいますよ。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
« 438話)管理棟 440話)日本の... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (土八路)
2010-02-18 17:49:22
先生の描写によると、ゲリラ豪雨というものは、大同話で話せば“雷阵雨”でしょうね。
この雨は大抵午後になってから降り出した雨です。降る時間が短くて強い風も伴なったり、雹もたまに交ったりしています。秋になるとしばしば見られます。農作物に被害をもたらしています。
 
 
 
ゲリラ豪雨について (高見)
2010-02-19 11:44:46
土八路さんのコメントは私のもう一本のブログ「黄土高原だより」の最新号につけられたものですね。
http://blogs.dion.ne.jp/koko_tayori/archives/9201467.html#more
ありがとうございます。
このコメントをそちらに転載させていただきます。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。