438話)管理棟

 86haの敷地を確保し、植物園建設を開始するにあたって、近くの村と協定し、この敷地内では放牧と柴刈りをしないことを約束してもらいました。でも、約束だけでは信じられないんですね。無用な進入ができないように、敷地のグルリに鉄条網を張ろうかと考えたんですけど、そんなもの破られたらそれで終わり、ということで、いろいろ考えた末、トゲのある植物を境界上に植えたのです。ニセアカシア、ヤナギハグミ、灌木性のナツメなど、乾燥地にはトゲのある植物がたくさんあります。

 でも、いちばん確実なのは、人が常駐することです。そのためにレンガ建ての小さな管理棟を建てました。2000年になってからのことです。

 最初は電気もひけなかったんですね。お金がなかったのと、ほんとに継続できるのか、おっかなびっくりのところがあったのです。そのかわりに、内蒙古から牧民用の風力発電機とバッテリを買ってきました。写真の左側にある3枚羽根がそれです。でも、管理棟の近くだと風が弱くて、あまり回りません。高いところにつけると、イタズラされるのが心配だといいます。電力線を引いて、電動ポンプによる灌漑も可能になったのは3~4年後のことでした。
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