084)農村の女性教師

 広霊県苑西庄村の小学校に先生は1人。1年生から3年生までを1つの教室で教えます。児童数は10人前後。4年から上は1・5キロ離れた隣りの苑庄村の小学校に通います。
 先生の名は楊維花、41歳の女性です。高校を卒業してすぐ、飲み水にすら困るこの村にやってきました。
 「学生のころ上山下郷運動が盛んでした。貧しい山村にいって、そこの農民に学び、村の発展につくす、ということです。模範になった女性たちへのあこがれもありました」と彼女は物静か。
 そのときの校舎は土づくり。教室付属の小部屋に1人で住み、自分で水を担いで自炊したそう。
 「18歳でしたから、さびしくて、辛くて、何度も泣いたことがあります。でも、勉強がしたくてまっ正面から自分をみつめてくるこどもたちに対すると、逃げることはできませんでした」
 そのとき農山村にでかけた青年たちの多くは、町に帰りました。でも、彼女はそのまま残って、23年になります。村で伴侶もできて、こどもが2人。
 経歴を聞いたのは今回がはじめてですけど、ふつうの先生とはどこかちがう印象があったんですよ。志を立て、それを堅持した人の味だったのでしょう。
 10年前、はじめて会ったときの彼女の賃金は65元。いまは百元。自分のこどもを中学校にやろうと思えば、寄宿費を含め1人あたり年間2千元かかります。
  (2005年9月15日号)
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