085)農家の庭

ガッガッガッガッ、朝早くから聞こえる奇妙な鳴き声に起こされました。ガチョウ(鵞鳥)です。ガンを家禽化したもので本来は水鳥ですが、黄土高原の農村にもけっこういます。大型のものはより戦闘的で、人間にも立ち向かいますから、番犬代りになる。
 ニワトリはたいていの家にいます。タマゴを孵して、ヒナを自分で育てることが多く、色とりどりの鳥が混じっています。改良種に比べ産卵率は低いでしょうけど、細かいことは言いっこなし。
 庭先をにぎやかにしているのは子ブタくん。1か月前に15頭が誕生しました。お母さんの乳首は7個×2列。1頭はみだすんですけど、生まれた直後に2頭が死んで、育っているのは13頭。その食欲たるや、すさまじいもの。
 かわいそうなのは母ブタです。お産のころから体調がすぐれず、エサをあまり食べません。それなのに13頭がむしゃぶりつき、乳の出が悪いと頭でぐいぐい突つきます。ゆっくり寝ているヒマがない。ガリガリにやせてきました。
 子ブタは乳以外のエサも少しずつ食べはじめました。ゴミだめに小さな鼻先を突っこんで引っかき回しています。なにを食べているんでしょう? そのうちの1頭が急に走り出しました。その先に母親を発見して残りの12頭もダッシュ! やっぱり乳のほうがいい。自分でエサを食べるようになり、自立すれば、子ブタは1頭が2百元。農家にとっては、ほんとにうれしい収入です。
 (2005年9月25日号)
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コメント
 
 
 
面白い (フフガル‰)
2006-03-15 14:44:48
高見先生のサイトは面白くて何時も拝見させていただいております。本当に、中国の農村の一面を表している文章であり、大変面白くて現実を示しています。ありがとうございます。
 
 
 
明日から農村です (高見邦雄)
2006-03-25 18:51:39
コメントありがとう!

日本からのツアーが明朝、大同に到着します。すぐに霊丘県にいき、明後日の夜は農家にホームステイです。まだ大同は寒くて、昨日の最低気温は1度。でも、最低気温が0度以上になったのは、この春ではきのうがはじめてです。でも、日中は10度を超えていますので、春は確実にやってきています。
 
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