083)村を回って話を聞く

 協力プロジェクトを成功させるためには、できるだけ深く現地の状況を理解する必要があります。そう考えて、たくさんの村を回ってきました。でも、これがけっこうたいへんな作業です。
 村で生まれ育った人がその村のことを一番よく理解しているかというと、そうでもありません。私は、出稼ぎでもなんでもいいから少なくとも一度は村をでた経験をもつ人を探しました。よそでの経験を持つことで、自分の村を客観的にみることができるようです。
 それから、みなさん親切すぎてサービス過剰です。知らないことも教えてくれます。自分と話しているあいだだけでも愉快にしてやろうと、つごうのいい話だけをしてくれます。でも現実の厳しさはすぐあとにわかる。「ウソだった!」などと喚き立てても、自分の能力不足を曝露するだけ。
 自分の目でたしかめ、たくさんの人の話を聞く必要があります。一人二人なら、聞かないほうがまだまし。そうやって知識の集積ができると、相手の話のたしかさを判断できるようになります。
 それにしても、農村の人たちの話はおもしろいですよ。とくにおじいさんの話がいい。苦労を積み重ねてきた人に特有の温かみがあります。写真の左から3人目の老人。アンズを大成功させた渾源県呉城村の長老で、私のことを「姓高的日本孩子」(高という姓の日本のこども)と呼びます。57歳の私も84歳の前ではたしかにこどもで
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