中国の内陸部での緑化協力にかかわる報告です。
続々・黄土高原レポート
058)砂上の楼閣?
しつこいと思われるでしょうがまた水問題です。今年も十月に入って、大同の冊田ダム、河北省の壺流河ダム、雲州ダムから北京の水ガメ=官庁ダムに水が送られました。合計で去年のほぼ倍の9400万立方メートル。
5年つづきの旱魃を脱して、今年は雨があったはずなのに、河やダムの水はさほど増えませんでした。カラカラに大地が乾いているため、少々の雨では河まで水がでないのかもしれません。
さらに雨は降っても都心に多く肝心の水源はそれほどでもないよう。7月の北京の豪雨では天安門広場がいちばんひどかったようです。意図しない人工降雨ですね。日本でも高速道路の真上に飛行機雲のような雲がかかっている写真をみたことがあります。
9月にまた官庁ダムを訪れました。今年も水位が下がり、水際がさらに後退しています。ダムに注ぐ直前の桑干河もみました。洋河、壺流河もすでに合流し、集水域は山西、内蒙古、河北にまたがる広大な範囲なのに、河川敷の大部分はトウモロコシ畑に変わり、流れの幅はわずかで、河底がみえているところもあります。
それでも北京は、拡張につぐ拡張、膨張につぐ膨張です。オリンピックを間近に控えて、このピッチが落ちることはないでしょう。まさに大発展中国の頂点、シンボルです。
でも水源のほうからみる後ろ姿の北京は、砂上の楼閣のように思えてしかたがありません。
(2004年11月5日号)
5年つづきの旱魃を脱して、今年は雨があったはずなのに、河やダムの水はさほど増えませんでした。カラカラに大地が乾いているため、少々の雨では河まで水がでないのかもしれません。
さらに雨は降っても都心に多く肝心の水源はそれほどでもないよう。7月の北京の豪雨では天安門広場がいちばんひどかったようです。意図しない人工降雨ですね。日本でも高速道路の真上に飛行機雲のような雲がかかっている写真をみたことがあります。
9月にまた官庁ダムを訪れました。今年も水位が下がり、水際がさらに後退しています。ダムに注ぐ直前の桑干河もみました。洋河、壺流河もすでに合流し、集水域は山西、内蒙古、河北にまたがる広大な範囲なのに、河川敷の大部分はトウモロコシ畑に変わり、流れの幅はわずかで、河底がみえているところもあります。
それでも北京は、拡張につぐ拡張、膨張につぐ膨張です。オリンピックを間近に控えて、このピッチが落ちることはないでしょう。まさに大発展中国の頂点、シンボルです。
でも水源のほうからみる後ろ姿の北京は、砂上の楼閣のように思えてしかたがありません。
(2004年11月5日号)
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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前回の旅ではセントルイスから砂漠の中を30時間走り続けて、コロラド河にたどり着いて緑と水に感動したのですが、今回はコロラド河がチョロチョロ感動はありませんでした。
カリホルニア州最初のガソリンスタンドでガロン$3.49にニューヨーク在住の私もびっくり。今回のドライブで最高値でした。
ロスの娘の下宿は中流家庭なのにプール付き快適な滞在でしたが、そこから30分ほどの貯水ダムにいってびっくり、大きなダムの底のほうに水が残っているだけです。
ガソリンも水も同じ、贅沢に使いはじめたら戻れません。北京もプールつきのホテルや邸宅がオリンピックで出来ることでしょう。その後はどうなるのでしょうか?
先日帰った東京も六本木Hills が出来て赤坂、麻布の緑はなくなってしまいました。申し訳に残る旧毛利家の庭園、日本は雨が多いから水の心配はいらないのでしょうが、世界に誇れるHills に驚愕しながらも、高層ビルの乱立になんとなく納得いかないのです。
ニューヨークの村人
ほんとに世界中が水不足のようです。日本は周囲すべてが海で、春の菜種梅雨、夏の梅雨、秋の台風、冬の雪、というふうに、四季を通じて、雨に恵まれます。こんな場所は、地球上でもまれなようですね。
日本の常識は世界の非常識、世界の常識は日本の非常識なんて、いいますけど、こと、水にたいする意識は、それにまちがいないでしょう。