086)グリーンベルト

大同での協力事業をスタートさせたころ、勧誘にいって門前払いされました。「コンクリートジャングル、アスファルト沙漠の大阪から、緑豊かな中国に緑化協力なんて」。たしかに大都市と幹線道路の緑化はみごとなものです。
 そういう印象をもたせるのは、北方では主としてポプラ。ある程度の水条件があれば、よく育ちます。大同でも数年前から道路の両側に幅40メートルもの緑化帯をつくり、ポプラを植えています。さぞかし私たちも満足かと思われるかもしれませんが、とんでもない。あれは愚の骨頂。
 第一に貴重な耕地をつぶしています。道路の両側は比較的平坦ですし、交通の便がいいため堆肥なども一般の畑よりずっと多く入れられている1等地です。
 それから大同-五台山-太原のルートは山西省の観光幹線で、国内外のお客がたくさんきます。ポプラが育つとトンネルのようになりますね。黄土高原の荒涼とした風景は地元の人は目にしたくなくても、外から訪れる人には感動的な光景ですよ。私たちのツアーのメンバーが「この光景をみただけで黄土高原にきたかいがありました」といったくらい。
 そんなことを気にかけていたら昨春の人民代表大会で、木を植えるのはいいことであっても、耕地をつぶしてはならないと決定されたそう。「基本農田保護」のスローガンもめだってきました。庶民は「指導者1人に1つの政策がある」なんていっています。
 (2005年10月5日号)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 085)農家の庭 087)農村の結... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。