186話)二十面相

 胡楊という木があります。西域に育つポプラで、和名はコトカケヤナギ、学名は Populus euphratica Oliv. と Populus diversifolia Schrenk の2つがあります。学名のあとのほうは「いろんな形の葉」という意味だそう。
 樹木の種類ごとに葉の形はちがいます。そして、なかには同じ種類の樹木でも、形のちがう葉が同居するものもあります。それが異形葉ですね。私がすぐに思い出せるのは、ヒイラギ、カクレミノ、カイヅカイブキ、イチョウなど。といっても、大別すれば、せいぜい2~3種類ほどの形です。
 ところが、この胡楊はすごいのです。中国の図鑑には20種類ほどの異形葉があると書かれていました。ほんとうでしょうか。
 日本の専門家の人たちといっしょに、9月9日、大同県に残っている胡楊をみにいきました。そのさいに形の異なる葉を1本の木から集めて、写真を撮ったのがこれです。若い枝に着くものがヤナギのように細長く、古い枝に着くものがヤマナラシのように丸っぽくなります。地面に立って手のとどく高さまでのもので、しかも短時間だったにもかかわらず、これだけありました。時間をかければ、もっとたくさん集められるでしょう。二十面相も大げさではないのです。
 この胡楊については2005年6月のこのブログに書いていますし、これもいささか古いのですが、以下のところにも書いています。
http://www.jica.go.jp/partner/kusanone/monthly/detail/06.html
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