187話)種子を集める

 霊丘県上寨鎮に「自然植物園」を建設中です。86haの一山の100年間の使用権を確保し、自然の再生を待つのとあわせて、周囲の山野から種子を集め、植物種を増やしています。
 専門家集団が帰ったあと、テレビの取材クルーがくるまでのあいだをつかって、15日と16日、種子集めにでかけました。
 15日は大同県・陽高県・渾源県・広霊県の県境にある「樺林背林場」といわれるところで、シラカンバが中心ですが、そのほかにけっこうたくさんの種類の樹木や草がはえています。私たちは2001年からくりかえし訪れ、観察をつづけてきましたが、この2~3年、植生の回復が著しく、踏み分け道が樹木で埋まって、歩くのが困難なほどです。
 いちばんのねらいはナナカマドです。中国名は花楸というよう。紅葉と赤い実が楽しめます。時期的にちょっと早いようで、葉が黄色くなりかけたものがあるだけでした。でも実はたくさんついて赤くなっています。霊丘にもナナカマドがありますが、あちらは白実のものが中心のよう。そのほかに、5種類ほどの種をとりました。
 16日は七峰山に登りました。といっても、この山の山頂にはテレビ放送のアンテナが設置されており、頂上までくるまで登れます。この山頂から西南のほうをみると、目のとどくかぎりの段々畑で、ほんとにびっくりします。
 昼過ぎから雲がでてきて、そのうちに雷雨になりました。そのうえ、乗ってきたくるまがパンクするというハプニングもありましたが、私たちは種集めに集中し、野生のサンザシ、ザイフリボクの一種など、赤い実のなる木の種子を大量に採取しました。
 こうした樹種を増やすことで、小鳥を呼び寄せることができます。小鳥が増えれば、これらの種をほかの場所にも蒔いてくれますし、もともとなかった植物も増えていくことでしょう。
【写真】みごとなばかりに赤い実のついたザイフリボクのなかま
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