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731話)白登山の古戦場

 いまから2211年前の話です。漢の高祖劉邦は楚の項羽との決戦に勝利し、中華を統一しました。しかし北方には匈奴の大帝国があり、その王・冒頓単于(ぼくとつぜんう)は着々と領土を拡大しています。

 劉邦は30万の大軍を率いて、匈奴に決戦を挑みます。ところが一方の冒頓単于、たいへんな戦略家なのです。劉邦を相手に戦っては負け、戦っては負け、だんだん北へ退きます。そしてきたのが平城、いまの大同です。

 だんだんと冬に向かい、寒くなります。匈奴は寒さに慣れていますが、南の劉邦の軍はそうはいかない。動きが鈍くなり、病人もでます。そしてある日、気づくと匈奴の精鋭40万の大軍に包囲されていました。そして、山のうえに追い詰められます。それが白登山。

 7日7晩の包囲がつづき、食糧も水も底を尽きます。あわやのところに登場するのが、劉邦の参謀、陳平。陣内の財宝をすべて集め、それを冒頓単于の妻のところに持ち込みました。賄賂です。財物のなかには美人画がしのばせてあり、「漢にはこのような美女がたくさんいますので、匈奴が勝てば、あなたの地位は危ういでしょう」と口説いた。そして、包囲の一角を解いてもらって、命からがら逃げ延びたのです。どこまでがほんとうの話かわかりませんが、まいないをつかったことは司馬遷の史記にもあるそう。

 緑の地球環境センターからこの白登山を正面に望みます。山頂付近にはたくさんのマツが植えられ、時期になるとキノコが生えます。9月の専門家がさがしにいったんですね。菌根菌を利用するマツの育苗のためです。ところがザンネン! 1本もみつかりませんでした。

 山頂には大同市政府が建てた記念碑があります。そのまえで記念撮影しました。中国側の誰かにシャッターを押してもらったんですけど、なんだよ、この写真、記念碑の頭がない!
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