167)街路樹のマツ

 この春、大同で驚いたことのひとつが街路樹のマツです。高さ5~6メートルもある大きなものが道路の両側に出現しました。「どうだ、りっぱなものだろう。大同も急速にきれいになる」といって自慢した幹部もいました。
 大同の冬は寒くて長いのです。ここには常緑の広葉樹は育ちません。ポプラをはじめとする落葉広葉樹は1年のうち7か月は葉がありません。冬でも青いものがほしい気持ちは痛いほどわかります。その期待がマツにむかうのです。
 ところがマツは大気汚染に弱いのです。以前に街路樹として植えられたマツに枯れるものが少なくありません。成長を完全に停止し、古木のような姿になったものもあります。松かさをたくさんつけているのは弱っている証です。
 いま植えられているのは、どこかの林場で抜き取って運ばれてきたものです。植えられてから20年以上たっています。藁縄できちんと根巻きがしてあります。ボプラなど広葉樹の移植はずいぶん乱暴なものでしたが、マツにはしっかりした対応がなされています。うわさでは運搬や移植の費用を含めると1本が1500元はするそう。大同市は石炭景気にわいてますから、こういうことができるのでしょう。そのお金が林場や農村に回っていくのも悪いことではありません。
 でもねえ、長い目でみると、この環境ではマツは育たないでしょう。毎年のように何割かを植え替えることになりそう。
 【写真】道路の両側に大きなマツが植えられる。マツは大気汚染に弱いので、これからが心配。
 (2008年6月5日号)
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