1292話)広霊県苑西庄村

井戸を掘ったのは1998年ですが、掘る前にもなんどかツアーの人たちがこの村でホームステイしたことがあります。黄土高原の農村の厳しさを知ってもらうには最適の村だったのです。
風呂はおろかシャワーさえ考えられもしません。朝起きて、顔を洗う水にも事欠くのです。でも、ツアー参加者にはものすごく好評でした。
それにはこの村の人たちの善良さが大きく影響したと思います。なにもない貧しい村でしたけど、心からよくしていただいたのです。

井戸を掘るのに成功して、水の面ではふつうの村になりました。でも、私たちへの歓待ぶりはより深まったと思います。

そのうちに、村の人たちから「自分たちも小学校付属果樹園をつくりたい」という声が自然にあがってきました。水がないうちは果樹を植えるなんて考えることもできなかったんですけど、いまではできるようになりました。

日本からのツアーも交えて、村中総出で果樹を植えたのです。そうそう、通水式もそうだったんですけど、日本からツアーがくるときは、出稼ぎにでている人も、結婚して村をでた女性たちも、村に帰ってきてくれました。村祭りのようになったのです。

そんなおりにおもしろい写真が撮れました。まだよちよち歩きの子が、スコップにとりついて、自分では一人前のつもりで穴を掘ろうとするんですね。すぐに飽きるかと思ったんですけど、そうじゃなくて、10分もそれ以上も大まじめに取り組んだのです。
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