007)学校へ行きたい!

 昨年11月に高速道路が完成し、北京‐大同3?3・5時間になりました。北京から近いのに、農村はたいへん貧しいんです。7つの県のうち5つまでが全国クラスの貧困県「扶貧開発重点県」です。
 学校にいってるはずの時間なのに、外にこどもがいます。親の手伝いをしたり、弟妹の子守をしている。「どうした? 学校に行かないのか? 行きたくないのか?」ときくと、顔をそむけて泣きだします。「行きたい!」と叫んで、駆けだした子もいました。
 学校にいきたいんですよ。いまの日本だと、学校にいかなくても勉強はできますが、中国の農村では、そうでなかったら文字も、計算も覚えられない。ほかのこどもと遊ぶ機会だってなくなるわけですよ。わかっているのに、意地の悪い質問をしたものです。
 低学年の通う小学校はたいていの村にありますが、高学年の通う学校は小さな村にはありません。低学年だったら、高校をでただけの村の青年が教えられるけど、高学年はそうはいかない。よその村に寄宿すると、いろいろ出費がかさむんです。それだったら、家にいて手伝え、ということになる。失学する子は女児が多いんです。小学校を卒業するのだって、貧しい村では容易じゃないんです。
 「教育は国の大本」とか「九年生の義務教育を普及しよう」とかのといったスローガンが、あちこちに書かれているんですけど、書かれていることは実現の困難なことが多いんですね。
 (2003年3月25日号)
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