006)マツを植えて育てる

 いま中国はものすごい植林熱です。私たちの協力地・大同は、北京・天津の水源、風砂の吹き出し口ですから、また格別。
 主体はマツです。乾燥と痩せ地に強く、用材としての期待もかかります。植えるのは2~3年生の小苗で、地上部はせいぜい10センチほど。草のようで頼りないけど、小苗のほうが活着率はいい。
 植えるのは春ですが、整地は前年の夏にします。降った雨が土のなかに浸透し、冬は凍結して保存され、春になって融けだして、苗を育てます。
 植えてからも手間がかかります。最初の3年は、冬のあいだ苗を土で埋めるんですよ。そうしないと、強風で水分を飛ばされ、枯れてしまう。ノウサギにかじられる。春になったら、また掘り出します。冬のあいだは休眠しているので、それでも平気です。でも、言うのは簡単ですけど、1ヘクタール3千本余りだから、50ヘクタールだと15万本、気の遠くなるような作業です。
 最初のあいだは生長が遅いんです。3年たってやっと30~40センチ。でもそのあとは速くなり、毎年20~40センチずつ伸び、倍々で緑が濃くなります。そこまでくるとひと安心ですけど、それまでに失敗することが少なくない。
 中国では「植樹3分管理7分」といいます。植えたあとの管理のほうがずっと重要だというわけです。ところが私たちのカウンターパートは「植樹1分管理9分」という。育てることの困難さをなんども味わったんですよ。
 【写真】草のように小さくて頼りないマツの苗。しかし小苗のほうが活着率はいい。
 (2003年3月15日号)
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